出版社内容情報
202X年のある夏の日、シコタン島(色丹島)の墓地で祈りを捧げていた ロシア人老夫婦が、丘の上から半透明のヴェールが近づいていることに気づく。不思議に思った二人が手をつないだままその壁に触れたとき、彼らの腕は「消去」した――。触れた人間の肉体のみが消去される「ウォール」と名付けられたこの巨大な壁は、1日に20km程度という遅さながら、やがて北海道に上陸、本州も射程に、徐々に西へと、人々を飲み込んでいく。本土上陸から首都圏到達まで1か月ほどしか猶予はない。真実とデマが入り混じりながら拡散され、日本はパニックに包まれていく。「ウォール」が暗示するものは、人類を奈落に突き落とす自然災害や疫病であり、経済格差によって人々を「分断」するものであり、無慈悲な「神の制裁」であり、極めて「平等な存在」である。唐突に出現したこの得体のしれない凶器に、人間は科学と人智をもって対峙しなくてはいけない。善悪を問わず本性をむき出しにする人間たちをあざ笑うかのような「WALL」。果たして結末は――。著者渾身の書き下ろし。一気読みのパニックSFミステリー。
内容説明
202X年のある夏の日。ロシア人男性が不思議な半透明の巨大な壁が近づいてくることに気づき、それに触れたとたん、手が「消去」された―。「ウォール」と名付けられたそれは、やがて北海道に上陸。徐々に本州、西へと人々を飲み込んでいく。真実とデマが拡散され、日本中がパニックに。これは自然災害か神の審判か。人々は科学と人智をもって対峙するが、「ウォール」はそれを無慈悲にも嘲笑う。一気読みのパニックSFミステリー。
著者等紹介
周木律[シュウキリツ]
某国立大学建築学科卒業。2013年に『眼球堂の殺人~The Book~』で第47回メフィスト賞を受賞しデビュー。本格ミステリの系譜を継ぐ書き手として絶賛を浴びる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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