出版社内容情報
瑞帆の前に現れた３人の男――。１人は、ある時期、彼女の世界の中心だった。だが、いつしか愛情は憎しみに変わり、口論の末、彼を衝動的に殺してしまう。発覚を恐れた瑞帆だったが、一向に殺人は露呈しない。そのことに戸惑う中、知人の紹介で知り合った男と交際を重ね、やがて子供を授かる。そしてもう１人は、純粋さの果てに歪な愛を向けてきた……。彼らは瑞帆に何をもたらしたのか。恋愛の“業を描き出す戦慄の長編！
内容説明
瑞帆の前に現れた３人の男―。１人は、ある時期、彼女の世界の中心だった。だが、いつしか愛情は憎しみに変わり、口論の末、彼を衝動的に殺してしまう。発覚を恐れた瑞帆だったが、一向に殺人は露呈しない。そのことに戸惑う中、知人の紹介で知り合った男と交際を重ね、やがて子供を授かる。そしてもう１人は、純粋さの果てに歪な愛を向けてきた…。彼らは瑞帆に何をもたらしたのか。恋愛の“業”を描き出す戦慄の長編！
著者等紹介
長江俊和［ナガエトシカズ］
１９６６年、大阪生まれ。映像作家、小説家。著書に『放送禁止』『出版禁止』『掲載禁止』『検索禁止』など（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
106
★★★★★★☆☆☆☆禁止シリーズ第６弾。元交際相手からのストーカー被害に悩む瑞帆は衝動的に男を殺してしまう。一向に発覚しない犯行に安堵する瑞帆だったが、そんな彼女の元に差出人不明の不穏なメールが届き…。なぜ彼女の犯行は闇に葬られたのか。心理サスペンスとしては及第点だが、読後に考察サイトを漁るところまでが【禁止シリーズ】の醍醐味だとすれば、アンコールもなく終わってしまったライブのような肩透かし感は否めない。文庫化に際して人物名が一部変更になっていると聞けば、アナグラムを期待してしまうのが真の長江俊和ファン。2023/04/25
HANA
74
DVを働く恋人を殺してしまった主人公。ただ何故かその犯行はバレる事はなく、月日は経ち幸せな結婚をする事に。ただ忘れた頃にその過去は蘇り…という粗筋からわかるように超自然現象は無く、ひたすら人間の心の闇を覗き込むようなホラーとなっておりました。この著者の作品はどんでん返しが多く、今回も気を付けて読んでいたのだが…。一つの事実に関しては読んでいる途中で容易に想像がついたのだけど、まさか最初から書かれているアレがそういう事だとは思わなかった。目の前に堂々とあったのに、小説という構造を上手く使われてしまったなあ。2023/05/20
坂城 弥生
46
ストーカー行為と恋愛感情が密接な関係にあるのが怖かった。2023/02/10
よっち
37
高校時代の教師を衝動的に殺してしまった瑞帆。彼女の前に現れた3人の男を巡る恋愛の業を描き出す戦慄の物語。かつて彼女の世界の中心だったその愛情が、いつしか憎しみに変わってしまった末の結末。覚悟していたのに殺人が一向に露呈しないことに戸惑いながらも、結婚して子供が生まれた頃に現れたもう一人の男の歪な愛。そして夫もまたなかなか屈折した想いを抱えていて、こういうタイプの男を引き寄せてしまう女性はいそうな気もしますが、自責の念に駆られながら、一方的で歪んだ愛に振り回される瑞帆の絶望にはなかなか来るものがありました。2023/02/20
ピロ麻呂
30
恋愛の呪縛ってこわい。ストーカーの気持ちもわからないことはない。2023/03/30
