出版社内容情報
異能の一族・縹家の宮で目覚めた秀麗。外界と隔絶された宮から出るには、大巫女・瑠花に会わねばならない。けれど彼女の居場所は分からず、異能「千里眼」を持つ珠翠を探すことに。一方王都では、史上最悪の大災害、蝗害に対し、重臣たちが協議を重ねていた。しかし対処の全権を委任した国王の劉輝は、ただ見守るだけ。珠翠探しと並行し、蝗害の対処法も探る秀麗は、劉輝の救いとなれるのか──。大人気中華風ファンタジー、第16弾。
内容説明
縹家の大巫女・瑠花を追うため、司馬迅と行動を共にする紅秀麗は、途中、縹璃桜と対峙する藍楸瑛とリオウに合流した。瑠花の居場所を知るためには、珠翠の異能『千里眼』が必要だという。楸瑛は、単独で珠翠を捜して『時の牢』へ向かう。一方、王都では、史上最悪の蝗害に対し、重臣たちが協議を重ねていた。だが被害はさらに増大して…。アナザーエピソード「空の青、風の呼ぶ声」を収録した、人気中華風ファンタジー、第16弾。
著者等紹介
雪乃紗衣[ユキノサイ]
茨城県生まれ。2002年10月「彩雲国綺譚」で第1回ビーンズ小説賞の読者賞・奨励賞をダブル受賞。03年11月、受賞作をもとに改稿執筆した『彩雲国物語 はじまりの風は紅く』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mayu
64
旺季の出立の前、劉輝との会話が印象に残る。好きなもののために玉座にいるのか、嫌いなものをもう見ないために玉座を望むのか。どちらが良い悪いではないけれど、ここまで正反対だと理解しあうのは難しい。好きなもののためなら強くなれるとも言うけど、もう繰り返したくないという願いも頑張るための原動力になり得る。縹家では、蝗害をなんとかして止めたい秀麗たちが大巫女をも動かす。守りたいもののために、自らの体調を顧みず、外の世界に戻っていく秀麗。彼女らしいと言えばそうだけど、だんだん弱っていくのが心配。2023/05/24
えみちゃん
19
さてっ、大好きなこのシリーズも終章に突入ということで蝗害に地震と再び彩雲国に危機が迫ります。朝廷ではその対策に追われ右往左往するのですが、悠舜と旺季の判断力の速さそして的確さを前に劉輝の存在感は霞むばかり。^^;一方縹家に滞在中⁉の秀麗ちゃんご一行さまは蝗害の被害を最小限に食い止めるべく縹家が保有する膨大な書物を当たるのですが・・。一時はすべてを諦めた秀麗ちゃんでしたが官吏としていま自分にできることを全うしようと猪突猛進する姿はまさに官吏の鑑でしょう。笑っ。外界から閉ざされ謎に包まれていた縹家の成り立ち2023/03/28
綾乃
13
新装版で再読。 地震に蝗害、長雨と災害が続き対応に追われる朝廷では、旺季の存在感が増すばかりで、劉輝は一言も喋らず立場の逆転に歯止めがかからない状態が続く。 一方の縹家では秀麗とリオウが蝗害対策の方法を、「時の牢」に囚われた珠翠を救出するために楸瑛が奔走。それぞれの思いが、官吏として最後まであろうとする秀麗の願いが、それまで動こうとしながった大巫女・縹瑠花をも動かすこととなる今回。 最終章へと向かう大きな渦、紅州に出立する前の旺季と劉輝のなんのために玉座を求めるかの会話がやはり印象に残る。2023/05/22
梵
11
裏で起きていることが徐々に明らかになってきた。旺季じゃないもう一人は誰なのか。「好き」を理由に動く劉輝と、「嫌い」を理由に動く旺季の問答は印象的。蝗害対処に向け縹家を動かすことに成功した秀麗、いよいよクライマックスか?アナザーエピソードは、本編でほとんど出番がなかった燕青と静蘭の出会い。二人の過去が凄惨で、秀麗たちに救われた今ある形を嬉しく感じた2023/06/30
那義乱丸
10
旺季と劉輝の会話が心に残る。何のために玉座を求めるのか。ふたりの理由は見事なまでに対極。でも、邵可いわくの劉輝に欠けている部分が満たされれば、彼が治める彩雲国は幸せな国になるのではないかと劉輝が化けることに期待する。(私の中で旺季の株も上昇中w) そして真の黒幕の件。これって朔洵か?でも、中身は違うかも?推しの1人なんで朔洵が生きててくれたら嬉しいけど彼が黒幕なら素直に喜べないんで、中身は別物であって欲しいという複雑な心境。続きが早く読みたい!最終巻はいつ出るんだろう。アナザーエピについては↓に。2023/07/16