出版社内容情報
子どもを腹に抱え、気が立つ女房のために、長屋を普請してほしい……。大工の文太から依頼を受けたお峰は、さっそく長屋を検分するが、どうやら苛立つのは身籠ったからだけではないらしい。文太にはわからない女房の思いを、お峰は普請で汲み取ることはできるのか? 江戸に店を構えたいという関宿の干鰯問屋の後継ぎを助けながら、お江戸の難普請を請け負うおんな大工お峰の活躍を描く、シリーズ第2弾!
内容説明
1人目の子供を腹に抱え、気が立つ女房のために、長屋を普請してほしい…。大工の文太から依頼を受けたお峰は、さっそく長屋を検分するが、どうやら苛立つのは身籠ったからだけではないらしい。文太にはわからない女房の思いを、お峰は普請で汲み取ることはできるのか?江戸に店を構えたいという関宿の干鰯問屋の跡継ぎを助けながら、お江戸の難普請を請け負うおんな大工お峰の活躍を描く、シリーズ第2弾!
著者等紹介
泉ゆたか[イズミユタカ]
1982年神奈川県逗子市生まれ。早稲田大学卒業、同大学大学院修士課程修了。2016年「お師匠さま、整いました!」で第11回小説現代長編新人賞を受賞し作家デビュー。19年『髪結百花』で第1回日本歴史時代作家協会賞新人賞と第2回細谷正充賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
74
シリーズ第2弾。御家人の娘として育ったお峰が両親亡き後、組屋敷を出て市井で職人として生きることを選んだ。そして今回も家の普請のためいろんな条件を出されながら、お峰らしい発想で答えを出していく。妊娠中の妻がストレスがたまり夫への暴力が止まないという夫婦にお峰が普請した家の造りとは。江戸の白金は畑と野原の中、その中に建つ長屋に住む子だくさんの家に文句たらたらの爺さん。名前を加ト吉って言うのが面白い。防音をどうすればいいのか悩むお峰。人と人の隣り合う生活の大切さを教えてくれる。大工さんてスゴイな。2023/11/23
ふわりん
10
前作を読んだのはかなり以前だったので、女大工ということしか覚えてない。が、読み始めると薄ぼんやりと思い出した。時代小説によくあるが、やっぱり周りにはお節介焼きの長屋の人たちがいていつもワイワイ集まってる。そして小さな謎解きがあり、皆で頭を寄せ合い考え解決する。今もそうだろうけど、女大工って当時はびっくり仰天するくらい珍しかったと思う。女の建てた家なんか住めるか!って江戸っ子に言われるのもそうおかしなことではなかっただろう。峰は確かな腕と言動で注文主から信頼される、要は人なんだなぁ。すいすいと読み終わった。2024/03/17
あずとも
7
江戸に店を構えたいという関宿の干鰯問屋の後継ぎを助けながらも子供がお腹にいるのに気が立つ女房、子供達の声がうるさいと怒られ雨戸を閉めて息を殺して住んでいる父親が出稼ぎ中の一家、買ったもので溢れている大店のお嬢様のお部屋の普請を請け負う。それぞれの思いをくみ取ってより良くする為の工夫を懲らすお峰の様子に大工の仕事の大変さを知る。2023/10/29
kupukupu
4
シリーズ2作め。今回もいろんな事情を汲み取り丁寧に仕事をする女大工峰の姿や周りの人々の姿に感動しました。2024/04/24
ERI
2
女性でしか理解出来ないような生活に密着した大工仕事で家の普請をしていくお峰~仕事振りが人の気持ちに寄り添っていて頼んだ人の気持ちが穏やかになっていく様が心地良い~昔は今と違って電気もガスも無く 人と人との関わりももっとずっと深かったんだろう~最近の殺伐とした世の中を思うと、時代と共に失くしてしまったものがあるような気がした 干鰯問屋の跡継ぎのお店探しも人の知恵の出し合いで紆余曲折はあったけれど…上手くいって めでたし~めでたし2025/01/14