出版社内容情報
史上初となる女性棋士の座を賭けた対局が決定した。運命の一戦に臨むのは、将棋の名門一家で育った天才高校生・諏訪飛鳥と、体が弱くプロになるための年齢制限が迫る千桜夕妃。激闘の末に決まった勝者はしかし、デビュー戦を前に姿を消した。観戦記者の佐竹亜弓は彼女の行方を追うが……。
「もう一度、あなたと指したい」。互いに切磋琢磨する若き棋士たちの熱い戦いと、将棋で結ばれる絆に胸を打たれる、愛と情熱の物語。
内容説明
史上初となる女性棋士の座を賭けた対局が決定した。運命の一戦に臨むのは、将棋の名門一家で育った天才高校生・諏訪飛鳥と、体が弱くプロになるための年齢制限が迫る千桜夕妃。激闘の末に決まった勝者はしかし、デビュー戦を前に姿を消した。観戦記者の佐竹亜弓は彼女の行方を追うが…。「もう一度、あなたと指したい」。互いに切磋琢磨する若き棋士たちの熱い戦いと、将棋で結ばれる絆に胸を打たれる、愛と情熱の物語。
著者等紹介
綾崎隼[アヤサキシュン]
1981年新潟県生まれ。2009年、第16回電撃小説大賞“選考委員奨励賞”を受賞し、受賞作の『蒼空時雨』で翌年デビュー。21年、『死にたがりの君に贈る物語』で第1回けんご大賞ベストオブけんご大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜長月🌙@読書会10周年
63
日本に女性棋士はまだ誕生していません。かつてからの謎で、そういう興味もあってこの初の女性棋士誕生のドラマを手に取りました。女性禁制でもなく、体力勝負でもない頭脳競技であるのになぜ女性棋士が生まれないのか。そういう解説本ではありませんが2人の女性棋士の苦闘がリアルに伝わってきました。2024/06/18
よっち
38
将棋のプロ棋士を目指す者たちにとって最後の難関、奨励会三段リーグ。観戦記者の佐竹亜弓がそこで全てを賭けて戦う二人の女性と出会う将棋小説。棋士を目指して奨励会に挑む永世飛王を祖父に持つ天才少女・諏訪飛鳥と、両親から応援されずに勘当され病弱ながら年齢制限間際で挑戦する千桜夕妃。岐路でたびたび激突する彼女たちの負けられない壮絶な激闘が熱かったですが、それぞれの将棋を形作ってきた濃密な背景があって、受け継がれてゆく熱い想いもあって、そんな二人に関わる天才少年・竹森や記者たちの存在がなかなか効いていたと思いました。2023/09/22
空のかなた
31
女流棋士による公式戦への参加は1981/2/19、この物語は、棋士には女性が1人もいないところから始まる。頂点を目指す2人の女性の戦いと生き様。将棋の棋譜はもとより、そのルールさえ知らなかったけれど、駒の動かし方や長考、早指し等、格闘技のように感じながら読み進んだ。フィクションな のに目の前でドキュメンタリーを観ているよう。語り手が変わるたびに、明らかになる事実。自分心が読まれていると、相手が思うほどの千桜竜王の将棋。最後の告白で千桜竜王の隠された3年間の謎が明らかになるエンディングが素晴らしかった、2023/10/29
きくりん
29
史上初となる女性棋士の座を賭けた対局が決定した。将棋の名門の家に生まれた諏訪飛鳥と、体が弱くプロになるための年齢制限が迫る千桜夕妃。激闘の末に決まった勝者は、棋士としてのデビュー戦当日に突然失踪した。観戦記者の佐竹亜弓は彼女の行方を追うが……という訳で、控えめに言って、傑作でした。「彼女」は、なぜ大事なデビュー戦当日に失踪したのかというミステリーあり、盤上で繰り広げられるバチバチのバトルあり、様々な人間模様が交錯するヒューマンドラマありと、最後まで飽きることのない将棋エンターテイメントをお楽しみください。2023/12/07
なみ
26
史上初の女性棋士を目指す2人の、戦いと絆の物語。 飛鳥の、夕妃の、そして2人の周囲の人々の視点で、将棋と彼女たちの関係性が美しい筆致で描かれます。 姿を消した理由はなんなのか。 そして、空白の期間に何があったのか。 終盤で明かされる衝撃的な真実には、涙が止まりませんでした。 彼女が、そして彼が将棋に出会ってくれて、本当によかったと心から思えるような結末でした。 文体や構成に作者らしさが存分に発揮されていて、物語にどっぷりと浸かることができました。 とても満足度の高い1冊です。2023/09/25
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