出版社内容情報
魚のブローカーから一転して興業証券へ再入社する。37歳の山鹿悌司の転身は、「兜町最後の相場師」へのスタートとなった。入社から2年後、株式市況の悪いなか、新設された投資信託販売特別班長の1人に山鹿は抜擢された。まったくの素人にもかかわらず、独自の発想と勘で金融機関から大口の注文を集めた山鹿は、たちまち兜町で頭角をあらわしていく――。相場を生き抜いた男の、波乱万丈の半生を描いた経済小説の金字塔!
内容説明
魚のブローカーから一転して興業証券への再入社。37歳の山鹿悌司の転身は、「兜町最後の相場師」へのスタートとなった。入社から2年後、株式市況の悪いなか、新設された投資信託販売特別班班長の1人に山鹿は抜擢された。まったくの素人にもかかわらず、独自の発想と勘で金融機関から大口の注文を集めた山鹿は、たちまち兜町で頭角をあらわしていく―。相場を生き抜いた男の、波瀾万丈の半生を描いた経済小説の金字塔!
著者等紹介
清水一行[シミズイッコウ]
1931年東京向島生まれ。週刊誌記者などを経て、66年に証券界の内情を描いた本書でデビュー。一躍ベストセラー作家となる。75年『動脈列島』で日本推理作家協会賞受賞。2010年に永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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jeltong
3
今は亡き作者のデビュー作である。これで一世風靡。企業小説ー相場ものーの風雲児とまで言われるようになったのだそうだ。自身の持つ株式市場への見識とそこに一身を投じた人物への綿密な取材もあったのだろう。物語の合間々に披露される、終戦後証券取引所再開当時は重きを置かれた経済指標には隔世の感がある。今では新聞の経済ネタにもならない。クローズだった株取引の現場で会社公認で、自由奔放に解き放たれたサラリーマン相場師が語られる。この時期に復刻した出版社の意図も見て取れる感がある。30数年前に読みました。渦中の一員として。2024/09/08
田山河雄
2
残念ながら読んだのは埼玉福祉会刊の大活字本シリーズ1997年(H9)刊でした。原本は1966年(S41)の発行、舞台は1958年(S33)~1961年(S36)の岩戸景気の前後の仕手戦である。ダウは4~500円からの上昇期、主人公は山鹿悌司(モデルはいるらしい)で成程パワフルだ。女千佐子も苦しく二人の行く末も悩ましい。腐れ左翼の西沢は哀れだ。証券業界に登場する諸々の人物も中々にヴィヴィッドだった。新NISAも今年1月に始まり、ダウも終値で36、000円を超えた(1/22)、隔世の感満載でした。2024/01/23
kinghaya
1
★★★★ たまたま何で経済小説の第一人者と知って、新刊で売っていた本書を購入。面白くて夢中で読んでしまった。今の株式相場を彷彿させる箇所もあり、やはり、歴史は繰り返すのか、と感じた。2023/02/24
minu tanu
1
昭和36年発表の作品とは思えない現代にも通じる株の魔力を余すところなく伝える作品。2022/10/12
まこっちゃん
1
相場を題材にした小説。古い時代の話だけど経済関連は興味深く読めた。男女の話についてはそういう時代もあったということかな。2022/09/26
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