出版社内容情報
君嶋 彼方[キミジマ カナタ]
著・文・その他
内容説明
他人と違っても、俺ならうまくやっていけると思っていた。―あの事件が起きるまでは。余計な“力”を持ったせいで、こんなにも一人ぼっちだ。必死でみっともなく生きるすべての人の背中を押す青春小説。
著者等紹介
君嶋彼方[キミジマカナタ]
1989年生まれ。東京都出身。「水平線は回転する」で2021年、第12回小説野性時代新人賞を受賞。同作を改題した『君の顔では泣けない』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
285
君嶋彼方さんの第2作は前作程のインパクトや話題性や反響はなかったようですが、でも今回も中々に渋いテーマの力作だと思いますね。本書のテーマは人類の一部に超能力者が認知された社会の学校で言わば旧人類と新人類の生徒達の間に横たわる異種族の意識と友情についての問題ですね。学校には超能力者だけのクラブ活動があり、でも彼らの超能力を学業で発揮する事は認められません。また街では本人の選択式で超能力者だけが暮らす町で居住する権利が認められています。そんな異質な環境の下に学校で大量の机が窓から投げ捨てられる怪事件が起きる。2023/07/24
美紀ちゃん
137
「君の顔では泣けない」がとても良い話だったので、読んでみようと思った。この本は、特殊能力ストーリー。時間を止める能力は父親ゆずり。様々な能力者がいる世界の話。普通の人は能力者を、怖がる。でも違う。能力があろうとなかろうと、誰も同じで、色々な悩みにもがいていたりする。頭が良くてイケメンの天ちゃんだって、悩みはある。もがいている。心の中に黒いものがモヤモヤしている。本心は口に出した言葉だけではわからないこともある。読後は爽やか。前作よりもこっちの方が好き。ミステリ要素もあり面白くて一気読みだった。次作にも注目2022/09/07
とろとろ
112
主人公の住む世界の設定が違う。約1万人に1人が特殊能力を持ち、大人になれば特別区に住む世界の選択を求められる。能力は公開されていて見ればわかるようなバッチを付けることになっている。その能力を持つ主人公が通う高校で、机がすべて校庭に投げ出されるという事件が起こって、当然ながらその犯人にされてしまったが、他の2人の能力者の力も借りて犯人を突き止める…。ミステリー的には単純で面白い。が、能力者が普通の人と一緒に当たり前みたいに生活しているという設定が問題で、どう動機を説明しても、それが事件の根源になるやろ…?。2022/11/29
イスタ
107
デジタルプルーフ本、当選しました♬︎ 事務局さん、ありがとうございます!デジタル本は苦手意識があったけど、読み始めたら けっこうスイスイと読めました。君嶋さん2冊目。1作目もとっても好みの作品でしたが、こちらも読みやすくて一気読みでした。特殊能力も持つ高校生の生きづらさを描いた作品。君嶋さんの描く主人公の内面の描写が 今回もグッときました。これからも 追いかけていきたい作家さんになりました。2022/08/07
うっちー
102
超能力の高校生の話だが、少し物足りない2022/09/30