角川ホラー文庫<br> 火喰鳥を、喰う

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角川ホラー文庫
火喰鳥を、喰う

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  • サイズ 文庫判/ページ数 352p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041127445
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

全ては「死者の日記」から始まった。これは“怪異”か、或いは“事件”か。

選考委員、激賞!令和初の大賞受賞作!
「恐怖と謎がしっかりと絡んでいる。ミステリ&ホラー大賞にふさわしい」――有栖川有栖氏
「謎への引きこみ方が見事。読了後は心地よい酩酊感に襲われました」――辻村深月氏

信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの出来事。ひとつは久喜家代々の墓石が、何者かによって破壊されたこと。もうひとつは、死者の日記が届いたことだった。久喜家に届けられた日記は、太平洋戦争末期に戦死した雄司の大伯父・久喜貞市の遺品で、そこには異様なほどの生への執着が記されていた。そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では不可解な出来事が起こり始める。貞市と共に従軍し戦後復員した藤村の家の消失、日記を発見した新聞記者の狂乱、雄司の祖父・保の失踪。さらに日記には、誰も書いた覚えのない文章が出現していた。「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」雄司は妻の夕里子とともに超常現象に造詣のある北斗総一郎に頼ることにするが……。 ミステリ&ホラーが見事に融合した新鋭、衝撃のデビュー作。

内容説明

信州で暮らす久喜雄司に起きた2つの異変。久喜家の墓石から太平洋戦争末期に戦死した大伯父・貞市の名が削り取られ、同時期に彼の日記が死没地から届いた。貞市の生への執念が綴られた日記を読んだ日を境に、雄司の周辺で怪異が起こり始める。祖父の失踪、日記の最後の頁に足された「ヒクイドリヲ クウビミ ナリ」の文字列。これらは死者が引き起こしたものなのか―第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞“大賞”受賞作!

著者等紹介

原浩[ハラコウ]
1974年生まれ。長野県出身。2020年「火喰鳥」で第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞“大賞”を受賞。同作を改題した本作『火喰鳥を、喰う』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

オーウェン

67
横溝正史のミステリー&ホラー大賞の作品だけど、巻末にある通り怖いと思える場面がない。 一応ホラーだろうなと思える描写はあるが、表面的なだけで心底という恐怖は感じなかった。 物語の入りは悪くなく、戦争によって死んだ死者の日記が見つかり、その死者の墓が荒らされ、徐々に登場人物たちの周りが侵食されていくという展開。 表紙の火喰い鳥はインパクトあるが、章ごとの終わりが脅かすだけで、次に繋がらないのは意味があるのかどうか不明瞭。 ラストは悪くないだけに、後の作品に期待といったところ。2023/12/20

こら

63
太平洋戦争当時ニューギニアで戦死した大伯父の名が墓石から削り取られ、時を隔てず彼の従軍日記が発見されたとの報が・・・この手の導入が好みで手に取ってみたが大正解。怨念譚かと思いきや、現実そのものがじわりじわりと侵食改変されていく恐怖。また誰が墓碑銘を削ったかというフーダニットとしても楽しめ、明ら様に怪しい人物が登場するが一捻り加えてある所は流石。読了すると、並行する世界線同士の存亡を賭けた戦いというSF的見方も出来る。それならば、火喰鳥とは世界を喰らい尽くす存在なのだろうか?兎にも角にも面白い。2025/03/04

キナコ

40
怪異というか、個人的にはSFに近いかな。いわゆるパラレルワールドな感じ。叔父が戦争で亡くなったはずなのに、もし生きてたら…少しずつおかしくなっていく世界。誰の発言が正しくて、誰が間違っているのか。ヒヤリとしたホラー感。明確には書かれていない、死後の叔父の亡骸など、深読みが出来る部分が多く面白かった。何が正しいといえるのか。初の作者であったが、今後も期待。2023/09/17

シキモリ

31
単行本の頃から気になっていた作品。ホラー小説は普段読まないが、本書は<横溝正史ミステリ&ホラー大賞>受賞作ということもあり、てっきりホラー寄りのミステリー小説だと思っていたら、実際はホラー寄りのファンタジー小説だった。ホラーなのに怖くないという選評もあったようだが、確かに頷けるものがある。それはミステリー仕立ての淡々とした筋運びの所為かもしれないし、戦死者の怨念という重厚なテーマが後半で有耶無耶になった所為かもしれない。賛否両論ありそうなラストだが、ファンタジーは何でもありと言ってしまえばそれまでだろう。2022/11/20

じゅむろりん

25
信州南部の古民家久喜家の息子雄司と一つ年上の妻夕里子。不穏の始まりは、墓石に刻まれた大伯父貞市の名が人為的に削られていたことと、その貞市が戦死したニューギニアから日記が発見され新聞記者を経由して実家に戻ってくること。日記から読み取れるのは「ヒクイドリへの執着」だが、もう一つ唯ならぬ執着が、じわじわと現代の久喜家を蝕んでいくホラーでありミステリ。なんですが私はファンタジー色を強く感じました。夢の中での貞市の体験と歴史が少しずつ変えられていく不気味さ。何より雄司と夕里子の運命が悲しい。不穏さだけが残ります。2024/04/27

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