出版社内容情報
「ここは日本ではありません」全寮制、日本語禁止、無断外出厳禁。18歳のミヨンが飛びこんだ大学は高い塀の中だった。東京に実在するもうひとつの〈北朝鮮〉を舞台に描く、自由をめぐる物語。解説・岸政彦
内容説明
「ここは日本ではありません」全寮制、日本語禁止、無断外出厳禁―。18歳、大阪下町育ちの少女ミヨンが飛びこんだ大学、朝鮮大学校は高い塀の中にあった。分断を越えた出会いと恋。国境を越えた家族との別れ。そして、壁の外を知ることで初めて直面する試練。東京に実在するもうひとつの“北朝鮮”を舞台に、映画「かぞくのくに」「スープとイデオロギー」の監督が自身の体験から描き出す、本当の自由をめぐる物語。
著者等紹介
ヤンヨンヒ[ヤンヨンヒ]
1964年、大阪生まれ。映画監督。コリアン2世。米国ニューヨーク・ニュースクール大学大学院修了。朝鮮大学校文学部卒業後、大阪朝鮮高級学校の国語教師を経て、劇団員、ラジオパーソナリティ、ビデオジャーナリストとして活動。監督作品として、ドキュメンタリー映画に「ディア・ピョンヤン」(2005年、サンダンス映画祭審査員特別賞ほか)、劇映画に「かぞくのくに」(2012年、ベルリン国際映画祭国際アートシアター連盟賞、読売文学賞戯曲・シナリオ賞ほか)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
86
衝撃を受けた。作者の映画監督ヤン・ヨンヒは父が総連のエラい人で、兄たちが北朝鮮に送られた背景を持つ人である。監督自身の体験が基になったと思われる小説。80年代の朝鮮大学。演劇に夢中になり、芸大生と恋する甘酸っぱさと、前時代的規則だらけの大学の対比が凄い。学校行事で行く北朝鮮(愛の不時着って結構リアルなんだな)。平壌から追放された姉、飢えた国民。何も豊かで自由な日本を捨てて北朝鮮に行かなくてもいいと思うが、そこは民族の誇りなんだろう。主人公は祖国の体制に反抗し自らの道を選ぶ。この後の激動人生も気になる。2024/10/19
こばまり
48
私が知りたかったのは、かの学校の現在の様子なのだが、今も変わらない部分はあるのではと手に取る。たまに通り掛かると目にする翩翻と飜る洗濯物は圧巻で、あの窓の一つ一つにミヨンのような子もそうでない子も、今も6人の学生が住んでいるのかと納得した。2023/07/11
おいしゃん
37
買って良かった。単純にラブストーリーとしても楽しめるのだが、2人の間に流れる国籍や民族意識の違いが強いアクセントとなっている。さらに、東京の朝鮮大学校や、その学生から見た「祖国」北朝鮮の内部の描写も実にリアルで、まさに作者でしか書けない物語だった。2022/06/30
ヨーイチ
27
ジャケ買いって言葉があるそうだ。その伝で言えば今回は「題名買い」である。作者のプロフィールを見ると、小生より10歳位下、大阪朝鮮高校から表題の大学に進み(日本では各種学校扱いらしい)朝鮮高校教師を経て、現在は映画監督、映像関係の仕事をしているらしい。「自分をモデルにした小説」ってのが小生の感想。自叙伝までは行っていない気がする。題名買いと言ったのは、母校が朝鮮大学のすぐそばにあり、コチラは中学、高校生で「この不思議な学校」を間近に見てきて「いつかは詳しい事を知りたい」と思っていたから。続く2026/02/15
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
23
▼面白く、興味深く読めた。舞台は朝鮮大学校。そこの女子大生と近隣の美大の男子学生との恋愛を軸としつつ、差別や、総連・朝大に拘束された生活、北朝鮮への訪問へと物語が展開する。▼著者は朝大の卒業生。両親は総連の幹部ということで、描かれいてる内容は、非常にリアルなものなのだろうと感じた。▼大学時代の恋愛の物語は切ない。そして北朝鮮訪問に展開してからの物語は重かった。北の列車内で「指導員」と弁当の交換をする場面は泣ける。当事者のみ理解できる蟠りを知ることができた。▼在日コリアンに関する諸問題に関心のある人は必読。2023/07/19
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