出版社内容情報
外科医の才所准一は、大阪で海外富裕層向けの自由診療クリニックを運営している。
抗がん剤・免疫療法の趙鳳在、放射線科の有本以知子、予防医学の小坂田卓という優秀な三人の理事とともに最先端のがん治療を提供し、順調に実績を重ねていたところ、久しぶりに訪ねてきた顧問が不審死を遂げる。
これは病死か事故か、それとも――。
高額な治療費への批判も止まず、クリニックに吹き荒れる逆風に、才所はどう立ち向かうのか。
内容説明
外科医の才所准一は、大阪で海外富裕層向けの自由診療クリニックを運営している。抗がん剤・免疫療法の趙鳳在、放射線科の有本以知子、予防医学の小坂田卓という優秀な3人の理事とともに最先端のがん治療を提供し、順調に実績を重ねていたところ、久しぶりに訪ねてきた顧問が不審死を遂げる。これは病死か事故か、それとも―。高額な治療費への批判も止まず、クリニックに吹き荒れる逆風に、才所はどう立ち向かうのか。
著者等紹介
久坂部羊[クサカベヨウ]
1955年大阪府生まれ。大阪大学医学部卒業。作家・医師。2003年、小説『廃用身』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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starbro
247
久坂部 羊は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 主人公はブラック・ジャック並みに高額の医療費はとるものの、父親の経緯から志の高い医師だとばかり思っていたのですが・・・ 所詮真っ当でない医療ビジネスは砂上の楼閣と言うことでしょうか❓ https://www.kadokawa.co.jp/product/322201000353/2023/04/09
いつでも母さん
152
少々この手法にも慣れたのか私(汗)思ったより驚きも共感も無く、ただ暗澹たる思いがしただけの読書だった。いつもは鋭い視点で面白く読むんだけれどなぁ。医師・才所の苦悩『ひとりは真実を告げたから死に、ひとりは真実を告げなかったから死んだ』そこはわかるけれどね。才所だけじゃなくこんな医師ばかりなら医療に何を信じたらいいのだろ。まぁ、私には先立つものもないけれど(汗)それにしても死に過ぎ=警察の皆さん頑張って~!って、読後の正直な気持ちだった。2023/04/14
モルク
132
自由診療による高額医療の患者を海外から受け入れるクリニックの医師で理事長の才所。最先端の機器による治療で他の3人のエキスパートな医師理事と共に順調に収益をあげていた。だが才所の恩師であるクリニックの顧問の突然死をきっかけとしてフリーライターに目をつけられ…次々と発覚する問題、一人の医師の不審な行動に謎は深まる。皆保険制度の日本における自由診療。誰でも高度な治療を受けたいと思う。そのネックになっている高額診療に保険がきいたら…受けたい人を全てそれで賄うと医療保険の崩壊を導く。難しい問題だ。2023/05/16
ウッディ
112
ホテルのスイートルームのような病室と外科手術ロボット、最新の抗がん剤とBNCT治療を武器に、海外の富裕層相手に 法外な価格の自由診療を行うカエサル・パレスクリニック。 それは、他の病院から見放された末期がん患者の希望になるのか、お金で命が選別される悪の象徴なのか?まばゆいばかりの病院と医師たちの後ろ暗い過去が暴かれる時、砂上の楼閣にように崩れ落ちていく様子がタイトルどおりでした。末期がん患者に対して、現実を伝えるべきなのか、希望を与えるべきなのか、簡単に答えが出せない難しい問題も興味深かった。2023/07/12
ノンケ女医長
89
著者の作品はとても好きで、いろいろ読んでいるけれど、医師ならではの臨場感や凄惨さが徐々に薄まっているような気がして、物足りない。今作で訴えたかったのは、おそらく患者と距離の取れない医師か。命を救う熱意が暴走し、似た心境の医師が集まり、そして違う方向へ歩んでいく。医療を長らく続けるためには、残念ながら距離がとても重要。その点に苦悩する描写が少しでもあれば、たくさん共感できたのにと思って、残念な読み心地。恋愛感情も寄せた主治医に認めた遺書の内容。うーむ、追い詰められた非医療者には困難な芸当かも。2025/07/12
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