出版社内容情報
知念 実希人[チネン ミキト]
著・文・その他
内容説明
研修を経て、循環器内科医となった諏訪野良太は、学会発表を終えた帰り、医学生時代の同級生である小鳥遊に遭遇する。小鳥遊が連れていた研修医・鴻ノ池に、研修のエピソードを求められた諏訪野の脳裏に蘇るのは、親身に寄り添ってきた患者たちのこと。まるで戦場のような救急部、心の傷と向き合う形成外科、かけがえのない“ある人”との出会いと別れを経験した緩和ケア科。切なくもあたたかな記憶の扉がいま開く。心震える医療ミステリ「祈りのカルテ」シリーズ、待望の新刊!
著者等紹介
知念実希人[チネンミキト]
1978年、沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。内科医。2004年から医師として勤務。11年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を「レゾン・デートル」で受賞。12年、同作を改題した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビュー。15年、『仮面病棟』が啓文堂書店文庫大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
359
知念 実希人は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。「祈りのカルテ」シリーズ第二弾は、連作短編集でした。オススメは、感涙作の「二十五年目の再会」です。 https://kadobun.jp/special/chinen-mikito/inori/?_gl=1*1nsncpn*_ga*MTY2MTk3NjU2LjE2NDcyNjY0NTU.*_ga_H02HL8LWS9*MTY2Njg3OTQyNS4yMy4wLjE2NjY4Nzk0MjkuNTYuMC4w2022/10/27
のり
227
先日読んだ「リアルフェイス」と逆の主人公達。「諏訪野」の研修時代の思い出話。前作も良かったが、本作も心震える話ばかりだった。指導医にも恵まれ、技術も精神も鍛えられた。「二十五年目の再開」の話の着地点にも納得。これだけ人当たりの良い諏訪野。少しでも義父との距離も近づけば良いのだが。2022/12/22
松本ぼんぼん
165
研修医諏訪野良太のシリーズ2作目。前回と異なり、既に医師になっている主人公が酒の席で回想するもの。三話ありますが、「二十五年目の再会」が感動物でした。良太先生の謎解きが冴え渡ります。2022/09/29
hiro
128
ドラマ化もされた「祈りのカルテ」シリーズの第二弾。循環器内科医となった諏訪野良太が、あの小鳥遊優と鴻ノ池舞に研修医時代に経験した話をするという設定だが、その三話ともただの医療ミステリではなく、「再会のセラピー」という題名の意味が深くわかる家族の物語だった。また、小鳥遊と鴻ノ池だけでなく、『改貌屋』の柊貴之、『螺旋の手術室』の冴木裕也、『天久鷹央』シリーズの桜井刑事が登場するという知念作品のファンにはうれしいおまけもついていた。今後もあの桜宮サーガに負けない純正会医大サーガの医療ミステリを期待しています。2022/12/27
ウッディ
110
研修医の諏訪野良太の研修先の医局で出会った患者が抱える謎解を行う医療ミステリーの続編。ドラマを観ていたので、ネタバレの部分も大きかったが、基本的に大きな事件が起こらない医療ミステリーは好物です。疎遠になっていた母と再開するために入院した男性の話、糖尿病を疑わないのは、医者として?な部分はありました。物静かで思慮深い研修医として良太先生のドラマのイメージからは少し違うミーハーな一面も見られ、「カルテがすべて教えてくれました」という名言も小説版ではなかったが、このシリーズで彼の成長を見守りたいと思いました。2023/04/25