出版社内容情報
どんな小さな事件でも、続けて似たような事件が頻発すれば、その背後に歪んだ犯人の心が透けて見えて来る――。東京の下町、門前仲町の商店街の裏路地で連続した植木鉢の損壊事件。所轄高橋署の新米刑事、麻生龍太郎は相棒の今津とともに捜査を開始するが、やがて傷つく人々の姿が浮かび上がる……。(「大根の花」)みずからも秘密を抱えた敏腕刑事・麻生龍太郎が哀しき事件を追う警察ミステリー。特別書き下ろし短編収録。
内容説明
どんな小さな事件でも、続けて似たような事件が頻発すれば、その背後に歪んだ犯人の心が透けて見えて来る―。東京の下町、門前仲町の商店街の裏路地で連続した植木鉢の損壊事件。所轄高橋署の新米刑事、麻生龍太郎は相棒の今津とともに捜査を開始するが、やがて傷つく人々の姿が浮かび上がる…。(「大根の花」より)みずからも秘密を抱えた敏腕刑事・麻生龍太郎が哀しき事件を追う警察ミステリー。書き下ろし短編「小綬鶏」収録。
著者等紹介
柴田よしき[シバタヨシキ]
東京都生まれ。1995年『RIKO―女神の永遠』で第15回横溝正史賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei302
58
新潮文庫から角川文庫へ。新装版ではなく、版元が変わったので「二次文庫化」と呼ぶそうです。で、20代の麻生と久しぶりの再開。5話中、3話に犬が出てくる。ホーリー可愛い。それにしても、安易に動物を飼うのはよくないよねえ。特別書き下ろし『小綬鶏』麻生の人柄が凝縮されていて、とてもよかった。及川の新しいパートナーの「純くん」呼びにシビれた。2022/08/13
くたくた
55
今回、角川に移籍?しての再版。嬉しい特別書き下ろしは『小綬鶏』。コジュケイといわれても判らなかったのだが「ちょっと来い」でわかった。アイツかあ。姿は見たことがないけど、鳴き声には馴染みがある。そういえば、最近、というか今住んでいる町では聞かない。滅多に飛ばない鳥だったとは。別名を「警官鳥」というそうだ。鳥の写真を専門にするカメラマンが及川のパートナーとして登場、ちょっと良い感じです。及川って、どんどん良い奴になっていく気がする。2022/07/26
ひさか
43
小説新潮三月臨時増刊大根の花、週刊新潮2005年12月29日号〜2006年1月26日号赤い鉛筆、電子書籍TimebookTown2005年12月割れる爪、収録元不明雪うさぎ、大きい靴、エピローグ、を2007年1月 新潮社から刊行。2009年8月新潮文庫化。書き下ろしの小綬鶏を加えて2022年7月角川文庫刊。麻生龍太郎シリーズ2作目。麻生シリーズはこれが初読みだが、些細なところに気がついて事件の真相に迫る過程が面白い。それを全ての話についてやっちゃうのが凄い。柴田さんは引出しが多いです。2022/09/18
森オサム
35
新米所轄刑事を主人公とした警察小説短編集。「聖なる黒夜」読了以来4年振りに麻生龍太郎と再会しました。が、覚えて無いわー、4年経つと。当時の自分のレビューに寄ると、めっちゃ褒めてるし一気に読んでる。面白かったんだろうなぁ、きっと。で、本作ですが、これはこれで凄く面白かった。若手所轄刑事らしく、ネタは身近で小さな事件なのですが、細かな気付きから真相を見抜く推理のキレは中々に爽快。内容は悲劇ばかりですが…。非常に淡々とした麻生のキャラは特異、しかも同性愛者なのが更に特異。なんだけど妙に魅力的で気になる男でした。2023/02/08
coco夏ko10角
22
新潮文庫のは既読、書下ろし『小綬鶏』目当てで手に。所轄時代の麻生もいいよね。及川との関係の変化も…。『小綬鶏』では本庁に異動になって間もない麻生が数年前の事件を振り返る。橋本美智子が麻生にかける言葉、麻生が感じていること、その後の麻生のことを考えるとなんだか…。2023/03/08