出版社内容情報
冬の北海道・札幌。『くま弁』に建て替えの話が持ち上がったある日、
昔伯母が埋めたタイムカプセルを探しているという女性が訪れる。
彼女が手にする伯母宛ての年賀状には、確かに『くま弁』の住所が記されていた。
しかし常連の蟻塚は幼い頃に熊野家で食べたポテトサラダの味を強烈に覚えており、
ここはずっと熊野家だったと譲らない。蟻塚は自分の記憶が正しいことを証明するため、
ユウに思い出の味を再現してほしいと言い出して……?
内容説明
冬の北海道・札幌。『くま弁』に建て替えの話が持ち上がったある日、昔伯母が埋めたタイムカプセルを探しているという女性が訪れる。彼女が手にする伯母宛ての年賀状には確かに『くま弁』の住所が記されていた。しかし常連の蟻塚は幼い頃に熊野家で食べたポテトサラダの味を強烈に覚えており、ここはずっと熊野家だったと譲らない。蟻塚は自分の記憶が正しいことを証明するためにユウに思い出の味を再現してほしいと言い出して?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
220
今回は、ちょっとした“くま弁”の歴史を垣間見れて良かった。創業以来変わらぬ味も良いけど、時代に合わせて少しずつ味を変えるのも続けるためには大事だなと思う。雪緒と粕井もいろいろあったけど、雨降って地固まるといったところかな。ユウ君と千春もね。めでたいことはいいことだ。それにしても、なんだこの終わり方は…。宅配篇も一区切りということなのか。新たな登場人物で新章突入なのかな。うーむ、終わり方にモヤモヤしてしまった。2022/05/08
ツン
110
ロミジュリな話が一番好きでした。このシリーズが終わっちゃったみたいで残念だけど、Owlさんとの会話に立ち帰って、自分の気持ちに気づけたのはよかったです。それにしても、前シリーズはくま弁の二人の新婚のところを飛ばしちゃうのと思ったら、今度もそこを飛ばしちゃうの??という。。でも、次のシリーズがあるといいな。2022/05/08
ジュール リブレ
90
宅配便編4作目。スムーズに進んでいた人生も少しずつ変化していく。宅配を通じて、人との触れ合いを通じて、自分に向き合い、新たな自分に進化していく。変わらずにいるクマ弁もどんどん美味しくなっていく。一歩前に進もう。そう思うのは自分自身、ですね。2022/05/02
オセロ
85
作者さん10冊目はしあわせ宅配篇の完結刊。 叔母のタイムカプセルを探す女性、いつも留守のお客さんとお品書きでのやり取り、険悪な親を和解させてほしいという結婚直前の幼馴染。どの話も心温まるものがありつつも雪緒の悩みに関係していて。くま弁での経験が彼女の恋と夢を後押しするのは良い結末でした。2024/02/27
再び読書
51
後半粕井と雪緒のやり取りにイライラしたが、終わりよければ全て良し。たまたま佳代のキッチンシリーズを読み終えたところで、人の縺れを解きほぐすお節介さが少し被る感じがする。ある年齢を過ぎると人はかなり面倒な存在に変化する。塩辛入りのポテトサラダは通すぎて、想像できなかった。親同士が仲が悪い隣同士の同じ苗字のカップルは流石に珍しい。千春とユウに子供が授かり、いよいよフィナーレに近づく感に寂しさも募る。ごく当たり前に美味しいご飯が、食べたくなる。2023/10/14