出版社内容情報
〈古典部〉シリーズ第3作『クドリャフカの順番』と第4作『遠まわりする雛』を1冊に合本し、函入り単行本として刊行します。
巻末付録として、著者と文化祭の思い出や創作の裏側に触れる特別編集「米澤穂信と文化祭」(コミックス「氷菓」著者あとがき再編成)と、「クドリャフカの順番」執筆時の自筆資料を収録。
著者等紹介
米澤穂信[ヨネザワホノブ]
1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞を受賞しデビュー。11年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。『満願』および15年発表の『王とサーカス』は3つの主要年間ミステリランキングで1位となり、2年連続の三冠となった。21年刊行の『黒牢城』で第12回山田風太郎賞、第166回直木三十五賞、第22回本格ミステリ大賞を受賞。『黒牢城』は4つの主要年間ミステリランキングすべてで1位を獲得し、四冠を達成した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カピバラKS
50
●白函入りの濃緑の書籍には、英訳表題が金字で刻まれ、カバーには「あれからずっと、僕らは古典部。」と記される。上古の魔術書の如く荘厳な装幀だ。●長編「クドリャフカの順番」では、ABC殺人事件を始めとしたアガサ・クリスティの有名推理小説を読みたくなったり、飛騨の郷土料理「ぎせ焼き」が食べたくなったりした。●短編集「遠まわりする雛」は、全7短編いずれもハズレなし。うち「大罪を犯す」では、主人公ら高校生4名が賑々しくダベる放課後のシーンに、懐かしい気持ちが込み上げてきて、特に印象深かった。2024/04/10
ツバサ
12
青春の光りと影、それを描かれている。文化祭では期待、才能。祭りでは想いと言葉。奉太郎、千反田、伊原、里志、それぞれの胸に秘める気持ちを覗けるのは限りなく貴重なものなんだと改めて思いました。ブログにてhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2023/11/07/2100002023/11/07
ほたる
12
「眠れなくて、そっと家を出ました。」文化祭の喧騒の中で描かれる他人への期待。前半は表を、後半は裏を描く。物語の橋渡しの方法が非常に巧く、各々の理想からの乖離が我々に苦味をもたらしてくる。青春ミステリの傑作。「いいえ。もう春です」古典部としての一年は高校生としての一年であり、どれだけ多くのことが彼ら彼女らの行先に影響を与えたのだろうか。少しずつ自分自身がどういう者かを理解し、他者への理解も深めていく。あと二年も残っているから。自分と、他者と、向き合う時間は十分に与えられているだろう。2023/11/05
yosa
11
巻末付録はいいものだ。よくある表現になってしまうけれど作者の頭の中をこっそり覗き見しているような、ちょっとした優越感を得られます。完成稿との違いが発見できるのもとてもおいしい。ただ氷菓・愚者のエンドロールとは違って、クドリャフカの順番・遠回りする雛は初めから文庫ではなく単行本として刊行されていたため、感覚的なものですが、愛蔵版の美しい装丁がそこまで引き立っていないように感じました。当たり前ですが読むだけならば文庫で十分ですし。三冊並べるととても立派なのでそこに価値を、美を、見い出せる人のみが買って下さい。2024/07/01
カッパ
4
巻末付録を読みました。新刊は出さないのでしょうか?2024/03/19