出版社内容情報
佐藤 いつ子[サトウ イツコ]
著・文・その他
内容説明
吹奏楽部というだけで、合唱コンクールの指揮者を任されてしまった早紀。内気な彼女が、個性的なクラスメイトとの関わりを通じて自分を解き放っていく。しかし本番直前、思わぬアクシデントが起こり…等身大の悩みを抱える中学生たちの成長をみずみずしく描く、音楽×青春物語。
著者等紹介
佐藤いつ子[サトウイツコ]
青山学院大学文学部卒業。IT企業勤務後、創作活動開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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☆よいこ
94
YA。中学1年の合唱大会で水野早紀は指揮者をすることになった。内気で地味な早紀は吹奏楽部という理由だけで選ばれ、クラス練習もまとまりがない。ピアノ伴奏は早紀の幼馴染、井川音心(そうる)が担当。女子バスケ部の金田晴美(キンタ)が仕切って朝練を始める。男子バスケ部の山東涼万(りょうま)と武井岳(がく)は素直に練習に参加できない。合唱大会を軸とした青春物語▽声変わりや成長痛や初潮など、思春期の悩みあり。声や香りや手や後ろ姿にときめいたり、ドキドキしたりする▽爽やかな青春ストーリーがまぶしい。良本2022/07/12
ゆみねこ
79
清々しい感動で読了。おとなしく内気な早紀は吹奏楽部だからという理由で合唱コンクールの指揮者を任される。積極的なキンタや最初は合唱に乗り気にならないバスケ部員の岳と涼万。個性豊かな彼らの等身大の悩みや恋心に、才能豊かな音心(ソウル)のピアノが絶妙なハーモニーを生み出す。中学生の揺れ動く心を描いたストーリーは、遥か彼方の記憶を甦らせる。佐藤いつ子さん、初読み。2022/10/30
ぶんこ
61
中学生のクラスごとの合唱発表会が、こんなにも心躍るテーマとなるとは佐藤さんの手腕でしょうか。吹奏楽部ということだけでクラスの指揮者に選ばれたひっこみじあんの早紀、音痴と言われた幼い頃のトラウマがある晴美。絶対音感があり、ピアノの才に秀でた音心。バスケ部の涼万と岳。4人の男女の心のうちが語られ、一歩進んだところにいる?音心が物語をリードしているようです。片思いの連鎖が青春ですね。モラハラっぽい早紀の父親に、自分の進みたい道をはっきり言えた早紀はすごい。音楽教師に熱意が感じられなかったのは淋しかった。2022/12/08
モモ
59
中学一年生がむかえる初めての合唱コンクール。吹奏楽部の早紀は指揮者にされ戸惑う。幼馴染のピアノが上手い音心。元気で明るい晴美。バスケ部の涼万と岳を中心にコンクールまでの日々が綴られている。家庭での問題などいろいろあれど、まだ若い中学生たちが一歩一歩成長していく姿がいい。中学生におすすめの一冊でした。2022/07/10
真理そら
57
タイプの違う中学生5人を中心に合唱コンクールや学校生活への馴染み方、初恋を取り混ぜて描いた作品。5人の男女中学生の初恋の矢印がすべて一方通行になっている点がリアル。入学してみたらやりたい部活がないという子は辛いだろうと思ったり、吹奏楽部の担当楽器はもう少し体格も考えた方が…と思ったりしつつ読了。登場する音楽教師の無気力さにはどんな事情があったのだろうかという謎も残りつつ終わったのはシリーズ化予定だったのだろうか。2024/09/25