出版社内容情報
元編集者で現ホラー・ミステリ作家の「僕」のもとに、昔仕事をしたデザイナー・松尾から連絡が入った。「小説 野性時代」に連載している連作怪奇短篇について、話したいことがあるという。各短篇は、それぞれ他人から聞いた体験談を基に小説化したもので、松尾とは何も関係がないはず。訝りながら家を訪ねた「僕」に、松尾は三十年前の出来事を語りだした。それは、日課の散歩中にある四阿で出会った、怪異譚を語りたがる奇妙な一家の話であった。子供時代に山小屋で遭遇した怪異、障子に映った奇妙な影絵、宿直していた学校で起きた異変。彼らが怪異譚を語るたび、なぜか松尾の近隣で事件が多発し……。(「逢魔宿り」) ほか、「お籠りの家」「予告画」「某施設の夜警」「よびにくるもの」の4編を収録した、珠玉のホラー連作短編集。
内容説明
結界が張られた山奥の家で、7つの規則を守り“おこもり”した少年が遭遇した奇妙な出来事が恐ろしい「お籠りの家」。物静かな生徒の絵が暗示する凶事に気づいた教師の記録と、それが指し示す真実に震撼する「予告画」。法事に訪れた田舎の旧家で、蔵の2階に蠢く“何か”を連れてきてしまった大学生の告白が不安を招く「よびにくるもの」など全5話を収録。怪異と謎解きの美しき融合に驚嘆する、三津田ワールドの粋を極めた最恐短編集。
著者等紹介
三津田信三[ミツダシンゾウ]
奈良県出身。編集者をへて、2001年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。10年『水魑の如き沈むもの』で第10回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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