出版社内容情報
毒ガス・サリン撒布計画を実行に移す――。教祖・十文字の反社会的なエゴは肥大化し、やがて侍従長である幸田のコントロールが利かなくなってゆく。若き幹部・太田慎平は信仰のために自らが犯した罪に苛まれ、苦悩を深める。一方、金蔓と見定めて彼らと手を組んだ警部の児玉は、権力者たちの暗闘に搦めとられていく。負の感情に囚われ、死臭を放ち始めた男たち。向かう先は天国か地獄か。未曾有の巨編が迎える衝撃の結末。
内容説明
毒ガス・サリン撒布計画を実行に移す―。教祖・十文字の反社会的なエゴは肥大化し、やがて侍従長である幸田のコントロールが利かなくなってゆく。若き幹部・太田慎平は信仰のために自らが犯した罪に苛まれ、苦悩を深める。一方、金蔓と見定めて彼らと手を組んだ警部の児玉は、権力者たちの暗闘に搦めとられていく。負の感情に囚われ、死臭を放ち始めた男たち。向かう先は天国か地獄か。未曾有の巨編が迎える衝撃の結末。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
233
いよいよ"その日"が迫りくる中、「なんとかしろ!」→「無理です」がひたすらループ。各人の頭の中では策謀が渦巻き、幽鬼と見間違うかの如くやつれ果てていく様子はたしかに克明で切迫感がある。けれども行動レベルでは何も動いていない場面も多く、アレ?となりもする。ただそれも、リアルな思考停止の描写かと思い返す。児玉が蝙蝠のように権力者の間を回遊していくのは面白く、唯一展開に起伏が出る。もう少し凝縮するところはして、かわりにもっと先まで描いて欲しかった。ちょっと結末が唐突すぎて最後だけ消化不良。2023/06/13
r2d2
8
実際こんなふうに事件が進んでいたんじゃないかと思うくらいリアルだった。登場人物のその後が気になる。2023/05/21
2兵
6
かの新興宗教団体の事件を元にしたダーク・ノワール。上下巻合わせて約1600ページの大作だが、あっという間に読めてしまった。世界を救う存在になりたいという無垢な願いを持った信者の青年、教団のNo.2として、富と権力を得て組織の拡大を図る弁護士、自らを地に堕とした者たちに対する復讐のため、警察と政治家の間で暗闘を続ける公安警察官。それぞれ何らかの形で手を汚してしまった彼らは、グルと呼ばれる男の暴走がもたらす事件に巻き込まれ、破滅へと突き進んでいく。ノンフィクションではなく、あくまでフィクションなので、2024/11/11
hiyu
5
読むのが辛くなって少しずつ、少しずつ何とか読み終わった。ラストはこういう感じか。その後がどうなったかが気にはなるが。2024/01/03
kos_sori
5
最初はうんざりするような出来事ばかりで辟易していたが、面白かった。途中から児玉、幸田コンビを応援していた。ハッピーエンドはあまりないとは思っていたけど、皆さん残念でしたね…。/お手軽に助かりたいと思うのは罪なのか?金、権力、復讐に執着するのは悪か?色々な物を捨ててまでそういうものが欲しいという気持ちは分からないけど。/某宗教団体の内情は実際にこんな感じだったんだろうか。組織ってのは怖いよ。2023/09/02
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