出版社内容情報
「兵庫県警には、”棘”が刺さったまま残っているんや。2本も。これは絶対に忘れてはならん」。
先輩刑事が表現した”棘”とは、「114(グリコ森永事件)」「116(朝日新聞襲撃事件)」の2つの未解決事件のことである。その「2本の棘」は、警察退職後30年を経た今なお、著者の心の中に突き刺さり、後悔の念が強く残っている。なぜこの2事件は解決できなかったのか。また、捜査一課長として指揮を執り、執念の末に「少年A」の逮捕に至った背景とは。昭和・平成に起きた凶悪事件担当の元捜査一課長が初めて明かす事件の全て。
目次(一部抜粋)
・1章 神戸連続児童殺傷事件
チャート図に掲載された「14歳少年A」の実名/神戸新聞社に送られた声明文/6人の幹部たちに限定した「捜査会議」/少年Aを「シロにする」捜査/職質で確認された直径3ミリの「血痕」/ダンテ『神曲』に影響された作文/極秘に進められた早朝の任意同行
・2章 グリコ・森永事件
秘密主義で進められた捜査/「焼き切り」で割られていたガラス/大阪府警と兵庫県警の主導権争い/「キツネ目の男」と7つの音声
・3章 ノンキャリ刑事の青春 昭和事件簿1
「国鉄集団スリ事件」/北朝鮮工作員が上陸した「切浜事件」
・4章 亡き者たちのために 昭和事件簿2
駅へと続いていく「ルミノール反応」/新・指紋照合システムによる事件解決「第1号案件」/特捜部長が語った「取り調べに必要なもの」/「編物教室女性殺人事件」
・5章 朝日新聞阪神支局襲撃事件 「赤報隊」を追って
新聞社「デスク十戒」が示すもの/2種類の「赤報隊」犯行声明/休日の夜に響き渡った銃声/目撃された不審な「白のマーク2」/始動した朝日新聞の「特命チーム」/「疑惑の中心地」からの肉声
内容説明
兵庫県警には、絶対に忘れてはならない“棘”が刺さったまま残っている。未解決に終わった「グリコ・森永事件」と「朝日新聞阪神支局襲撃事件」のことだ―「グリコ・森永」「赤報隊」「少年A」等を担当した元捜査一課長が初めて明かす捜査の舞台裏!
目次
1章 神戸連続児童殺傷事件(「何かの間違いやないか」;直前に起きていたもうひとつの「少年事件」 ほか)
2章 グリコ・森永事件(「広域重要指定事件」誕生の経緯;秘密主義で進められた捜査 ほか)
3章 ノンキャリ刑事の青春―昭和事件簿1(伝説の刑事「トモさん」がいた時代;定年退職後も「職務」を継続 ほか)
4章 亡き者たちのために―昭和事件簿2(警察庁広域重要指定112号事件;駅へと続いていく「ルミノール反応」 ほか)
5章 朝日新聞阪神支局襲撃事件―「赤報隊」を追って(新聞社「デスク十戒」が示すもの;捜査打開を願う男が聞いた「天の声」 ほか)
著者等紹介
山下征士[ヤマシタセイシ]
1938年鹿児島県生まれ。鹿児島県立甲南高等学校卒業後、1958年兵庫県警巡査を拝命。捜査三課、捜査一課で刑事畑を歩む。1980年代の未解決事件「グリコ・森永事件」「朝日新聞阪神支局襲撃事件」の捜査を担当。1997年の「神戸連続児童殺傷事件」では捜査一課長として現場を指揮し、解決に導いた。1998年、伊丹署長を最後に退職。最終職階は警視正(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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