出版社内容情報
2022年 映画化決定!!
東京は、あと一分で終わる。愛していると言えないうちに―。
愛って、なんだ。永遠って、なんだ。眠れない夜は、どうすればいい。
この退屈は、虚しさは、どうすればいい。
どうせ他人になるのに、どうして私たちはどうでもいい話をしたがるのだろう。
どうせ死んでしまうのに、どうして今こうして生きているんだろう。
死ぬまでに本当にやりたかったことって、一体なんだったのだろう。
いま、青春小説史上、恋愛小説史上、犯罪小説史上、
最高に過激で孤独、そして正しく、美しい夜更かしが始まる。
内容説明
友達も恋人もいない。単位も金も、なりたいものもない。SNSもくだらない。なにもかも眩しく、虚しく、どうでもいい。大学一年生の「私」は眠れない夜と無気力な日々の中サークルに入り、冷酷で美しい「先輩」と出会う。彼女以外と馴染めぬ中、夜の喫煙所で見知らぬ男が「火、ある?」と声をかけてきた。これが東京破壊計画、即ち最悪の始まりだった。激化する真夜中の暴走。青春小説、恋愛小説、犯罪小説の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そる
254
10代後半20代前半くらいのモラトリアムな憂いが集まって破壊的エネルギーになっていくような話。人も現代社会もつまんなくて嫌いで否定的で主人公の思考にやや反吐が出そうだが、分からなくもない。結局何が言いたいか、はっきりしないけど「否定的になってるとこうなる」と結果だけ提示してあとは各々考えろ、ということかな。文章が真理ついてる。屁理屈っぽいけども笑、わかる。「「(略)要はさ、どうでもいい人には傷つけられることなんて互いにないけど、どうでもよくないって思った相手には絶対に傷つけられることになるんじゃないの」」2023/11/11
おしゃべりメガネ
124
インスタで見かけた'エモい'小説とのコトで手にとりました。スミマセン、オッサンの私にはさっぱりでした。きっと二十代、大学生あたりの年代が読むとまさしく'エモい'作品なのかもしれませんが、頑張って最後までなんとかページを捲り続けましたが、結局最後までわからず、一体何だったんだろう?と。世界観をひたすら楽しむというコトなのかもしれませんが、あまりにも自分のストライクゾーンを外れすぎていて、まったくキャッチできず。こんなにもハマれなかった作品は久しぶりです。最後まで読みきった自分をほめてあげたいくらいです。2022/03/11
美紀ちゃん
77
文章がオシャレ。普段の会話で使えたらカッコいいと思う。東京タワーへのラブレターは秀逸。黒服、利益を得ることを簡単に書いてあるが絶対にそんなに簡単ではないはず。しかし最後まで読んで黒服はカリスマだったことに気づく。 努力信仰は日本の麻薬。テロ、爆破、秘密組織みたいなことはもう犯罪みたいで、オチは最悪だけれど、その最悪さが狂気みたいで、良い味を出しているのかも。先輩のことは、切ない片思い。想いがすれ違っている。 「最悪」という言葉は最上級の褒め言葉。 人生を生き抜く具体的な知見が刺さる本。2022/05/04
rico
72
何すねてんだか、こじらせてんだか。何者にもなれない、なりたい者が見えない、そんな焦燥は遠い昔に確かに感じたものだけど、昔の日記読んでるような気恥しさ満載で、オバサンは没入できず。サドル→ブロッコリーぐらいならネタですむが、そこまでいく?人のくらしを、命を奪う?必然性が感じられない。ネット使って組織的に対象をつぶすやり口は、妙にリアルで気持ち悪い。テロだってひょっとして簡単に起こせる?あー、気持ち悪い。映画は未見だけど、主人公はイケメンオーラ消してたのかな。リア充感満載だと説得力ないけど。辛口、すみません。2024/05/28
キンモクセイ
56
言葉が機関銃のように次から次へと息つく暇もないくらい飛んでくるようだった。〝携帯を握り締めても思い出はできない〟大学1年で世の中に絶望してわかったような気になって愛は絶望だとか宇宙は私たちのことを一秒たりとも考えていないって当たり前だろ。才能がないから大学生になった。何も自信がないから。全部ぶっ壊したくなった。それでも4年生の先輩に対する想いは恋だろう。「愛してる、と、愛していた、の間で、どうして私たちは死ねないのだろう。」世間を驚かせ何もかも壊してもきっと満足なんてしない。心の中は変わらないと思う。2022/02/13
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