- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > ティーンズ・ファンタジー
- > 角川スニーカー文庫
出版社内容情報
「あんたのことが知りたい」江南が告げた言葉の真意を大楠は掴みきれないでいた。冬休みに入っても予備校・初詣と江南は大楠の側にいた。江南が誰にも伝えられなかったことを大楠は目の当たりにして……!?
内容説明
クラスの(元)問題児・江南梨沙に説教してから何故か彼女に懐かれた大楠直哉。彼は自分のペースを乱されつつも居心地の良さを感じていた。しかし、2学期も終わりに差し掛かった頃、江南について担任教師から再度相談を持ちかけられる。冬休みに入っても同じ予備校の冬期講習を一緒に受けることになり、2人の不思議な関係は変わらず続いていた。やがて、一緒に過ごしているうちに、大楠は彼女に対してある違和感を抱えることとなる。そして、彼女が抱えてきたものの正体を知った大楠は彼女とどのように接するべきか思い悩む。その末に彼が彼女のために出した結論とは―不器用な2人が紡ぐ青春ラブコメディ第二弾!
著者等紹介
向原三吉[ムコウハラサンキチ]
第5回カクヨムWeb小説コンテスト特別賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
37
元問題児の江南にペースを乱されながらも、居心地の良さを感じていた直哉。しかし二学期も終わりに差し掛かった頃、江南について教師から相談を持ちかけられる第二弾。江南と一緒に冬期講習を受けることになった冬休み、一緒に行くことになった初詣、そして共に過ごす時間が増える中で直哉が気づいた江南の違和感と彼女が彼に懐いた理由。彼女もなかなか難しい事情を抱えていることが明らかになった今回でしたけど、直哉がその問題にあえて踏み込んで関わることを決めたことでここからどう展開動いてくるのか、今後の展開が楽しみになってきました。2021/10/01
オセロ
24
冬休みになり、クリスマスが近づく中で、冬季講習やお正月などの様々なイベントを共に過ごすことになった大楠と江南さん。 その中でひょんなことから知ってしまった江南さんが隠していた家庭事情。 そんな江南さんの為に何とかしようと模索する大楠が父親に背中を押されて、自分が後悔している過去を曝け出して、江南さんの弱さと共に向き合う展開は王道ながらもグッとくるものがありましたね。 とはいえ江南さんの家庭の問題は何も解決してしていないので今後の展開が楽しみです。2021/10/06
のれん
23
過去とそれについて回る家庭問題。 気になる者同士で不器用ながら触れあうことで少しずつ近づいていく。 構文としては恋愛なのだろうけど、主人公の理論は爽やかな青春もので、聞き分けよく積まれていく。 淡々とした文章も理路整然な感情をさらに洗練していて、高校生というより社会人、少なくとも親元を離れた大学生のような雰囲気がある。 もちろん二人とも金銭的な自立が出来ず悩んでいるのだけど、悩めるからこそ、そういう立場になっても大丈夫だろうと思える。 ギャンブルする父しかり、子供の方が大人ってのは往々にしてあるのだろう。2021/10/03
ツバサ
22
1巻で明かされなかった江南の抱えている問題と不思議だった大楠に懐いた理由というのが明かされた。思春期の真っ只中にいる2人は傷を負いながらも、話し合って向き合うことができたのは、周りの人のおかげ。大楠と江南がこれから、どう生きていくのか読んでいきたい。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2021/10/02/2100002021/10/02
かっぱ
21
冬期講習を皮切りに冬のイベントを描くシリーズ2弾。人の事を利用しようとする癖に人に頼ることができない不器用な梨沙の過去を掘り下げる一冊。それは彼女が誰よりも深い闇の中で生きてきた証左だし、日常の中に潜んだ助けてのサインを見逃し続けた直哉が自身を叱咤するシーンは印象的だ。水に浮くくらい必死になっていたら誰かが気づく。誰も彼もを救える正義の味方にはなれなくても泥臭く向き合うことで救いたい人を救えることもある。普段はだらしない父親の姿を受け自分のカサブタに触れてでも梨沙に踏み込む直哉のことは素直にカッコ良かった2021/10/02