出版社内容情報
「うちのクラスの転校生は何かがおかしい――」
クラスになじめない転校生・要に、親切に接する委員長・澪。
しかし、そんな彼女に要は不審な態度で迫る。
唐突に「今日、家に行っていい?」と尋ねたり、家の周りに出没したり……。
ヤバい行動を繰り返す要に恐怖を覚えた澪は憧れの先輩・神原に助けを求めるが――。
身近にある名前を持たない悪意が増殖し、迫ってくる。一気読みエンタテインメント!
内容説明
「うちのクラスの転校生は何かがおかしい―」クラスになじめない転校生・要に、親切に接する委員長・澪。しかし、そんな彼女に要は不審な態度で迫る。唐突に「今日、家に行っていい?」と尋ねたり、家の周りに出没したり…。ヤバい行動を繰り返す要に恐怖を覚えた澪は憧れの先輩・神原に助けを求めるが―。身近にある名前を持たない悪意が増殖し、迫ってくる。一気読みエンタテインメント!
著者等紹介
辻村深月[ツジムラミズキ]
1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
931
辻村 深月は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 ホラー好きの著者が満を持して発表した初の本格ホラー、とても怖く堪能しました。「闇祓」というよりも、ダーク・モラハラ・ホラーと言った感じです。神原一家、恐るべし、続編もあるでしょうか? https://kadobun.jp/special/yami-hara/2021/11/15
パトラッシュ
884
学校や団地、会社や家族などで普通に暮らす人の内面に棲む闇が残酷な素顔をさらす物語かと思いきや、神原家という形をとった恐怖がじわじわと侵してくる。悪意が人を操って次々と仲間を補充し、僅かな不協和音をきっかけに犠牲者を増やし続ける有様は血や内臓をぶちまけるよりも恐ろしい。そんな闇ハラを振りまく家族が、どこにでもいる平凡さなのだから。彼らを祓う役目を負った少年との戦いは、否応なく新型コロナウイルスとワクチン接種のいたちごっこを連想する。偶然と自然とを問わず、人は常に外から侵略され続けているのだと警告するようだ。2021/12/01
青乃108号
817
一見、それぞれのストーリーに関連性は無さそうであるのにもかかわらず、章立てで話が進んで行く事に、落ち着かない違和感を感じる。章を追うごとに全体像が見え始め、面白くなってきたと思ったら。ファン。?ファン。ファン。何これ?はぁ、仔犬の鳴き声って。駄目だ、一気にさめてしまい、以降は犬が鳴く度にイライラし、長いな。早く終わらんかな。ってばかり思いながら読んでいた。終盤の説明の延々とくどい事くどい事。そして一番アカンかったのはエピローグ。ただただくどい。本当にくどい。エピローグはカットして欲しかったと思います。2022/07/22
bunmei
737
辻村作品のダークミステリー。各章で登場人物も入れ替わり、学校、団地、会社、家族とシーンも異なるが、ストーリーが次第に繋がり、回収されていく連作。心の闇にスポットを当て、強引に言いくるめて自分の闇を押し付け、マインドコントロールされていく恐怖。最初から最後までのゾワゾワ感が続く中で、誰もが持ち合わせる嫉妬や妬みの負の感情が膨らみ抑えられなくなった時、叱責を受けて卑屈な感情が増幅して追い詰められた時、人の心は邪鬼へと変貌していく。様々なシチュエーションでの負の連鎖が渦巻き、ダークな世界観へと包みこんでくる。 2021/11/19
刃の下に心あり
683
★5つ。めちゃくちゃ面白くて一気読みでした♪心情描写が上手な辻村さんによる心理系ホラーとくれば…リアルすぎてゾワゾワ感がたまらないです。日常の何気ないシーン、そこでどんな心理の駆け引きが行われているかを非常に上手く表現されていて、ああ分かる~と相槌打ちながら…ゾクッとさせられました。途中まで短編集のような感じもしましたが、最後に全てが繋がって伏線回収も素晴らしかったです♪これはフィクションなのか?と思ってしまうほど、身近に起こりうる…いや既に蔓延しているようなお話だと思いました…怖いけど面白かったです♪☺2021/11/03