出版社内容情報
「マドンナ・ウイルス? なんじゃそりゃ」第二次内閣を発足させたばかりの武藤泰山を絶体絶命のピンチが襲う。目玉として指名したマドンナこと高西麗子・環境大臣が、発症すると凶暴化する謎のウイルスに冒され、急速に感染が拡がっているのだ。緊急事態宣言を発令し、終息を図る泰山に、世論の逆風が吹き荒れる。一方、泰山のバカ息子・翔は、仕事で訪れた大学の研究室で「狼男化」した教授に襲われる。マドンナと教授には共通点が……!? 泰山は、翔と秘書の貝原らとともに、ウイルスの謎に迫る!!
内容説明
人を凶暴化させる謎のウイルスに、マドンナこと高西麗子環境大臣が感染した。止まらぬ感染拡大、陰謀論者の台頭で危機に陥った、第二次武藤泰山内閣。ウイルスはどこからやってきたのか?泰山は国民を救うべく、息子の翔、秘書の貝原とともに見えない敵に立ち向かう―!!『民王』待望の続編!
著者等紹介
池井戸潤[イケイドジュン]
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2010年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、11年『下町ロケット』で直木賞、20年、野間出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
523
ここ最近の池井戸作品は品質が安定していたが、コレはびっくりするほど微妙。タイムリーなネタを寄せ集めて、ドラマ化出来るように続編として仕上げただけで中身はスカスカ。一作目と泰山のキャラが変わってしまっているし、他のキャラもせっかくシリーズにしたのに、背景が深掘りされることもなく、特に翔の友人連中は完全にモブ化。設定も滑稽無糖なうえに展開も都合が良すぎてなんだかなぁという感じ。別冊子を見てみると、一度はボツにしたものらしく納得。暇つぶしにはなるが、それ以上のものはない。 2021/10/20
starbro
421
池井戸 潤は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。先日の旧作『民王 』に続いて、シリーズ第二弾です。トム・クランシーのジャック・ライアンシリーズのパロディ+未知のウィルスのような作品、これはこれで面白いですが、著者の作品としては微妙な感じでした。まだシリーズは続きそうな雰囲気です。 https://kadobun.jp/special/tamiou_siberia/2021/10/22
パトラッシュ
328
池井戸作品に登場する悪役は徹底的なワルだが、地位や権力に溺れた頭を使わない面々が多い。そんな連中を主人公とその仲間たちが頭脳と忍耐で叩きのめすのが黄金パターンで、テレビドラマと相性がいいのも当然か。うまくはまれば『半沢直樹』のように面白い展開になるが、一歩間違えれば異常性格者満載のドタバタ喜劇になりかねない危険性をはらむ。前作では親子の人格が入れ替わるSF的アイデアで物語の疾走感を出したが、今回は残念ながら悪役のバカさ加減が鼻につきすぎた。最後に泰山が演説するシーンは遠藤憲一さんに吹き替えたら楽しめたが。2022/01/30
うっちー
275
やっぱり池井戸さんは下からの上への抵抗作品でないと2021/10/10
Yunemo
209
コロナと政治を素材にするとやっぱりこの構図になってしまう。何だかありきたりに想えて。現実のパロディ化、あえてこの作風にしたのかも、と自身に納得させてます。犬にきいてみろ、とはあの表題じゃないですか。政策は正しいはずなのに、世の中は気分で流されていく、と説明しているけど、どっちもどっちで、説明責任の欠如もあるのかな。ちょうど明日が衆議院選投票日、自身が投票しなければ何も変わりません。との想いが強まります。人類の歴史って、結局のところウイルスとの関係から成り立っているのかも、という見解に新たな視点が見えて。2021/10/30