出版社内容情報
藩内の諍いに巻き込まれた佐賀藩士の田代陣基は、武士の意地を見せるために切腹を決意した。冥土の土産に家中で伝説となっていた山本常朝の庵を訪ねるが、そこで語られたのは驚天動地の武士道観だった。
内容説明
家中の争いに巻き込まれた佐賀藩士の田代陣基は、武士の一分を立てるべく切腹を決意する。覚悟を固めて身辺整理をはじめたが、死ぬ前にどうしても会っておきたい人物がいた。「鍋島家に似合いの曲者」と評された伝説の武士、山本常朝である。常朝の研ぎ澄まされた武士道観に衝撃を受けた陣基は、思わず弟子入りを志願する。不朽の教訓書『葉隠』の神髄と武士道の極意を余すことなく描き尽くした、人生観揺るがす歴史長編。
著者等紹介
安部龍太郎[アベリュウタロウ]
1955年福岡県生まれ。国立久留米高専機械工学科卒。図書館司書を経て90年『血の日本史』で衝撃的なデビュー。2005年『天馬、翔ける』で中山義秀文学賞、13年『等伯』で直木賞、16年歴史時代作家クラブ賞実績功労賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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只三郎
9
朝ごとに死におくべしという精神。 このような心持ちを常に持ち続けたいものだ。2024/02/06
coldsurgeon
3
戦国時代末期から江戸時代初めに、侍としての生き様を解いた書「葉隠」をベースに、価値観が大きく変わる時代に生きる術を示す物語である。侍として安易に生きるのではなく、いつも死ぬことを意識して生きていくことを大切なこととして、過ごす武士という階層を、今、思う。侍が命を捨てるのは、他を活かすためである。か。2022/02/07
かずさん
0
壮烈な鍋島武士の話でした。この時代の方たちの覚悟を知ることができた。2024/03/10