出版社内容情報
ダイアモンド・ライン社の社長、ルッジェリの第一秘書であるエレイン・シーモアに下された密命。それはルッジェリが敵視する、ジュリア司祭の弱みを探ることだった。すべての業務を停止し、表向きは「休暇」としてパリへと飛んだエレインは、ジュリア司祭に接触。エレインは司祭の邸宅の執事見習いに近づき、彼をスパイに仕立て上げようとするが……。(「エレイン・シーモアの秘密の花園」)刑務所に収監中の殺人犯が、生霊となって現役の大臣を殺害した、と自白した事件を、アメデオ大佐が自力で解決しようと奮闘する「生霊殺人事件」、平賀の誕生日に平賀とロベルトが遭遇した事件を描いた「迷い猫」など、バラエティ豊かな三篇を収録した、ドキドキハラハラが止まらない短編集第六弾!
内容説明
ジュリアの弱みを握れというルッジェリからの密命を受け、休暇を装いパリへと向かったエレイン。運良くジュリアの古城に招かれた彼女は、執事見習いの男を利用して情報を聞き出そうとする―。「エレイン・シーモアの秘密の花園」ほか、獄中の殺人鬼が自供した不可能犯罪にフィオナ&アメデオが挑む「生霊殺人事件」、平賀の誕生日に起きた猫にまつわる事件を描いた「迷い猫」を収録。シリーズをより楽しむための短編集第6弾。
著者等紹介
藤本稟[フジキリン]
大阪府出身。1998年『陀吉尼の紡ぐ糸』でデビュー。ミステリーや伝奇など、多岐にわたるジャンルで活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
63
サラリと読めてしまったが、シリーズ中では意外と重要なエピソードになるのかな?生霊殺人事件では、今まで狂言回しだったイタリア・カラビリエリのアメデオ大佐が矜持を見せる。ローレン頼みだった彼が、独りで事件解決に挑むが・・・。ローレンのアメデオへの意外な評価にほっこり。さらにジュリア神父へのアプローチに挑む美貌の秘書エレインのミッションの物語もまた、ブラックな笑いにまみれた展開。秘密結社ガルドウネ内部の暗闘に端を発するストーリーだが、やはりジュリアの掌の上だったね。『迷い猫』は予定調和なクリスマスストーリー。2023/11/11
ぽんすけ
37
短編集になると私の好きな大佐が出てくるのでとても楽しい。大佐の一家も何気に好きなんだよな~。要領悪く鈍くさい大佐似の息子としっかりもので機転の利く妻似の娘、家では結構いいパパで幸せそうな家庭だよね。今回珍しくローレンに「君にしては捜査の方向性はなかなかだった」って褒められてたし、これからもがんばってほしい。しかしフィオナがどんどん大佐の扱いが雑になっていってるよね。元気だして!続いてルッジェリの切れ者秘書のエレインの話。ジュリアの方が一枚上手だったけど、実はセレブ好きのエレインの華麗なる裏切りに吹いたw2023/10/16
よっしー
29
今回は3本の短編が。表題作でもあるジュリア神父の秘密を掴む為にアレコレと画策している様子は面白かったのですが、蓋を開けてみると全ては掌の上で転がされていたようで…。本当にジュリアは何者だと言いたくなるお話でした。平賀とロベルトの猫探しのお話はほのぼので良かったです。短編だと、普段脇役の人達に焦点が当たるので嬉しいですね。2023/12/07
さくりや
28
『バチカン奇跡調査官』なのにバチカン奇跡調査官が殆ど登場しない笑。まあ短編集だし。「生霊殺人事件」アメデオと彼の息子の努力が報われることを祈ります……!このシリーズの登場人物だとフィオナが1番好きなので、このコンビの活躍が見られるのは嬉しい。構成は王道刑事ドラマといったところだが事件の内容が毎度斬新。「〜秘密の花園」たまにこういうぶっとんだ話出てくるよね(褒めている)。エレインが今後本編にどのくらい絡んでくるのか楽しみ。「迷い猫」幸せの青い鳥的な。ワーホリ神父コンビに休暇など来ないのであった ……2022/09/22
しましまこ
24
3編、平賀の誕生日は2月3日、おしゃれなレストランへ。平賀の食事を見守るロベルトかあさんにほっこり。2022/10/02