内容説明
拳銃による殺人事件を起こした伊達麟之介は、詮議の末に放免されるや、狭い日本を出奔、中国大陸へ。そこで出会った馬賊に入る。やがて、日本人でありながら馬賊の首領となる麟之介。蒙古独立運動に加わったかと思えば、満州での楽土建設に参画し、激動する日中関係を背景に奔走する。しかし終戦。麟之介は戦犯として捕らえられ―。檀一雄が、自らのロマン精神をも仮託して描いた、奔放な男の壮絶な一代記、ここに完結。
著者等紹介
檀一雄[ダンカズオ]
1912年、山梨県生まれ。東京帝国大学経済学部在学中に、処女作「此家の性格」を発表。51年、『真説石川五右衛門』『長恨歌』で第24回直木賞受賞。最後の無頼派作家といわれ、ベストセラーを次々と発表した。76年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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pyonko
3
日中戦争に足を踏み入れて行く麟之介。その地の人ととならんとして、大義軍として動き始めるが…。時代小説のようだが、彼を取り巻く恋愛小説というような気もする。2015/01/17
dubbrock
2
ラストで不覚にも泣きました2008/08/26
のうみそしる
0
「義」のために生きる多くの登場人物の中でも、最も力強く天の道を行く逸見六郎が印象深い。もはや仙人。それにしても会話の運びがいちいちドラマチックで、そこに九州弁がとても良い味を添えている。面会テロン何テロン。2016/12/16
びーちゃん
0
評価32010/06/15
アヴィ
0
戦後世代の日本人にはなかなか分かりづらい馬賊という存在。賊という字が使われているが、盗賊や山賊の類とは違い、逆にそれらから地域を守る自警団のような組織というが、やはり本質はわからない。馬賊王となるも、戦後日本人として帰還し晩年を送った小日向白朗とは逆に、中国人として処刑される道を選んだ伊達順之介の青春が描かれる。2025/01/13
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