出版社内容情報
小野はるか[オノハルカ]
著・文・その他
内容説明
大光帝国の後宮は、幽鬼騒ぎに揺れていた。謀殺されたという噂の妃の棺の中から赤子の遺体が見つかったのだ。皇后の命で沈静化に乗り出した美貌の宦官・延明の目に留まったのは、居眠りしてばかりの侍女・桃花。花のように愛らしいのに、出世や野心とは無縁のぐうたら女官。そんな桃花が唯一覚醒するのは、遺体を前にしたとき。彼女には検屍術の心得があるのだ―。後宮にうずまく疑惑と謎を解き明かす、中華後宮検屍ミステリ!第6回角川文庫キャラクター小説大賞“大賞”“読者賞”ダブル受賞作。
著者等紹介
小野はるか[オノハルカ]
「ようこそ仙界!鳥界山白絵巻」で第13回角川ビーンズ小説大賞“読者賞”を受賞してデビュー(刊行時『ようこそ仙界!なりたて舞姫と恋神楽』に改題)。「後宮の検屍妃」(文庫化にあたり『後宮の検屍女官』と改題)で第6回角川文庫キャラクター小説大賞“大賞”“読者賞”をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆのん
88
後宮、帝からの寵愛争いの中にあって『幽鬼騒動』勃発。調査に駆り出された美貌で訳ありの宦官と、帝からの寵愛を独り占めする妃嬪に仕えるぐうたら侍女がおりなす検屍ミステリー。現在の検屍とは異なる道具を使う検屍場面と、色恋に全く無頓着なヒロインとの思いの行き違いがとっても面白い。欲を言えば、もう少し大奥の様なドロドロ感があって欲しかったかな。2021/05/03
はなりん
84
冤罪により宦官にされた青年延明と検屍を天職とする後宮女官桃花が後宮で起こる変死を解明して行くお話。二人のコンビが中々良い。桃花の検屍に対する誇りと、そんな桃花に癒されて惹かれていく延明の今後が楽しみ。2022/04/23
あっか
84
新刊。角川文庫キャラクター小説大賞大賞&読者賞ダブル受賞作。後宮モノで検屍官とは新しい!面白く読み切りました。普段はぐうたらで出世欲ゼロの侍女・桃花、冤罪により心に闇を持つ美貌の宦官・延明。この構図はやはりどうしても薬屋を彷彿とさせられてしまいますが、それ抜きにしても普通に続編を読みたいと思いました。検屍女官なので、うわああそこまで書いちゃう!?とゾワッとする描写もあるのですが、芯があり力強い桃花の姿勢に惹きつけられてしまいます。延明の恋の行方も気になる。桃花がデレる日は…来るのか?笑 あと点青も気になる2021/05/12
茉莉花
71
大光帝国の後宮の物語。謀殺されたと噂になっている妃の棺の中から赤子の遺体が見つかり、その赤子が亡霊となって彷徨っているという騒ぎで後宮は揺れていた。皇后の命で沈静化に出たのは、美貌の宦官・延明だった。女官達が怯える中、居眠りばかりしている侍女・桃花を延明は見つける。容姿はすごく美しいにもかかわらず、ぐうたらすることにしか興味がない。さらには、腐刑の身である延明を一人の人間として扱う変わり者。2022/02/02
kei302
71
第6回角川文庫キャラクター小説大賞の大賞と読者賞 ダブル受賞作。後宮ものラノベと気楽に読み始めたら、とんでもなく面白い。死因を明らかにし、死に至る過程、動機とともに人間関係をあぶり出す。『法医学教室の事件ファイル』『監察医 朝顔』などの法医学ドラマでなじみ深いし、中国の歴史ものを読むのは久しぶりで楽しめた。検屍術とは、「遺体にのこる事実をつまびらかにし、冤罪をなくす術」。 信念を持って、毅然とした態度で検屍に臨む桃花が格好いいです。ふだんの寝ぼけた ぐうたら女官とのギャップも好ポイント。2021/04/23
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