出版社内容情報
うしなうことは、辛いけれど、哀しくはない。愛の呪縛と再生を描く傑作長編
●彩瀬 まる:1986年生まれ。2010年「花に眩む」で第9回「女による女のためのR-18文学賞読者賞」を受賞しデビュー。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『骨を彩る』『神様のケーキを頬ばるまで』『桜の下で待っている』『朝が来るまでそばにいる』『森があふれる』等がある。自身が一人旅の途中で被災した東日本大震災時の混乱を描いたノンフィクション『暗い夜、星を数えて‐‐3・11被災鉄道からの脱出‐‐』を2012年に刊行。人を鋭く見つめながらも、繊細で美しい筆致で人気を博し、今最も注目されている作家のひとり。
内容説明
父の死をきっかけに実家の洋館を相続した明日香。24年ぶりの実家は懐かしくも忌まわしい品で溢れていた。遺品を整理しながら彼女は、家族への複雑な思いと父から必要とされなかった事実に気づかされる。やがて好調だった仕事はうまくいかなくなり、恋人との関係も壊れ始めるが…。「辛いことを生き延びた先で、すごくきれいな景色を見られるよ」―この世界のどこかにあると誰もが信じている「愛」のその先を描く傑作。