出版社内容情報
小学5年生だったあの夏、幽霊屋敷と噂される屋敷には、庭園に隠居部屋や縁側、裏には祠、そして古い蔵があった。初恋に友情にファッションに忙しい少女たちは、それぞれに“哀しみ”を秘めていて――。
内容説明
遼子は小学5年生。同居する祖母が転倒し、入院した。大好きな祖母を見舞うと、遼子のことがわからなくなっていた。誰にも言えないもやもやした気持ちを胸に、遼子は四葉に誘われ、美音と“ご詠歌”に参加することに。悲しい歌詞に触れ、2年前に弟を亡くした美音は泣き出してしまう。適当な慰めはいらないと叫ぶ美音を四葉が案内した先は―。少女達が大切な人の変化や不在を受け入れていく様を描く感動作。
著者等紹介
椰月美智子[ヤズキミチコ]
1970年神奈川県生まれ。2002年、第42回講談社児童文学新人賞を受賞した『十二歳』でデビュー。07年『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞、08年第23回坪田譲治文学賞、17年『明日の食卓』で第3回神奈川本大賞、20年『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で第69回小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
82
死をテーマの一つに扱いながらも、ファンタジックな要素も入っていて、暗い作品ではなかった。主人公の遼子は41歳で小学生の双子の母親。その遼子の元に、幼なじみの美音からクラス会の誘いがある、当時仲の良かった四葉ちゃんが出席するらしい。出席すると即答した遼子、そこから当時の回想が始まる。小5のときにふとしたきっかけで、遼子と美音は四葉ちゃんと大の仲良しになる。作中には美音の5歳で亡くなった弟の話や、認知症になった老人の話のような辛い話も出てくる。世を去った人への忘れられない思いを描いた優しい物語だった。2021/09/12
はつばあば
55
41歳の遼子に小学校5年生の頃の同窓会の案内が・・懐かしいです。私も小学校を卒業してから60年近くも経ったのやと思えば感慨深い。昨夜ブラタモリで山科の事がと読み友さんより連絡を頂いたのですが見過ごしてしまい残念!。山科と言っても私の育ったころは東山区山科。その前は宇治郡山科村。ここに登場する四葉ちゃんのような大きな家ではありませんでしたが、蔵や牛小屋などがありました。曾祖母をはじめ大所帯。初孫でひ弱故いじめられっ子だったのが、逞しくなったのが丁度この頃。ほんと5~6年生の頃が懐かしいです。老いて読む本? 2023/05/21
たるき( ´ ▽ ` )ノ
45
Kindle Unlimitedにて。41歳の主婦が小5の頃に思いを馳せるお話。穏やかなようでありながら、胸がザワザワする内容に心を持っていかれた。2022/08/17
ピロ麻呂
30
「死」という重たいテーマを扱いつつも、優しさに溢れた温かいストーリー🍀小学生ぐらいになると「死んだらどうなる?」って考え、大切な人の死を想像して泣いてしまうこともあるよね。「賽の河原 地蔵和讃」幼くして死んでしまった子どもたちは、賽の河原で石を積み上げる。しかし、現世の親が悲しむと、鬼が来て積み上げた石を倒していく。親を悲しませるのは「罪」だから。あの世で親を思いながら、また石を積み上げる子どもたち。お父さん、お母さん、どうか悲しまないで…仏教の教えなのかな?泣けました😢2021/09/12
Gonzou82
22
読み終わってタイトルの意味がわかる作品。主人公は40代主婦だが内容はほぼ児童文学。ツナグのような感じ。話にもう少し膨らみがあれば良かったけど、なんとなく唐突感があってわくわく感が無かった。ただ日常感は溢れ出ており、さすが作家の面目躍如という感じ。多分作家特有の語りにひき込まれ沢山読むに至ってると思う。2022/01/20
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