出版社内容情報
澤村 御影[サワムラ ミカゲ]
著・文・その他
鈴木 次郎[スズキ ジロウ]
イラスト
内容説明
長野での記憶を失ってから元気がない高槻のもとに、絶縁状態だった従弟から連絡が。婚約者の肩に人面瘡が現れたという。高槻と尚哉が赴くと、婚約者は高槻に向かい「天狗様!」と叫び…?ほか、高槻のサイトに実家の旅館にあるという「紫鏡」の調査依頼が寄せられた。依頼人の幼い頃、母親が鏡に吸い込まれ消えたという。古参の従業員も、鏡については言葉を濁し―。異界に魅入られた凸凹コンビの民俗学ミステリ!
著者等紹介
澤村御影[サワムラミカゲ]
神奈川県横浜市出身。2016年に第2回角川文庫キャラクター小説大賞“大賞”を受賞した『憧れの作家は人間じゃありませんでした』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさか
166
2021年5月角川文庫刊。書下ろし。シリーズ6作目。お化け屋敷の幽霊、肌に宿る影、紫の鏡、の3つの連作短編。怪異なのか、それともそう見えるだけなのかという事件の調査を行う高槻と深町の二人こそが怪異の中心にいることが、前巻で語られましたが、その秘密は、予想通り少しずつ小出しにされます。前巻の展開の続きをやって欲しかったです。最終巻だけ読めばいいかなという気になります。ちょっと不満です。2021/07/06
ちょろこ
149
ひっぱるね〜の一冊。第一章の遊園地のお化け屋敷、微笑ましさに心癒されるスタート。アキラ先生も尚哉もなんだかお互いを思いやる心が溢れていてますます良き良き、そして好き♡今作は民俗学の知識がいつもよりも濃密に味わえた気がする。心の苦しみを映し出すかのような鏡のシーンがどれも印象的。紫の鏡は最高。鏡と怪異、バッチリな相性を楽しめた。そしてひっぱるね〜、アキラ先生の瞳の謎。これはどう捉えれば良いのか…尚哉と読み手を惑わせていく数々の言葉。油断は禁物なのかな。やっぱりこの先まだまだ恐ろしさが待っているのかしら。2021/06/11
ぽんすけ
121
前巻、死霊の祭りでの体験を全て忘れてしまった先生が凹んでいてかわいかった。尚哉が先生の中に眠るもう一人の誰かと対峙してお前が先生の記憶を消すなら、自分が全て覚えていて先生に教える。お前なんかに負けるもんかと決意した所が、一巻で自分の耳のことで厭世的になっていた彼と別人すぎて、先生と出会って良かったね。と母の気持ちになりましたwこの話は基本的に心霊現象かと思ったら実は人間が~的に先生が事件を解決していくのが醍醐味だと思うが、時に本当に心霊ネタをぶっこんで来るのでビビる。『紫鏡』ががちすぎて怖かったでござるw2022/09/09
mariya926
121
このシリーズは民俗学の高槻教授の授業も楽しみつつ、実際の謎解きも楽しめます。今までは人が作り出した怪奇現象が多かったですが、今回は鏡の出現です。悪魔みたいですね。自分を祀って拝めば、商売繁盛させてくれる。しかし約束を破れば、魂(影)を奪い取る。また白馬の王子の幻想は危険であることを知りました。ある意味勝手な幻想の押し付けなんですね。次巻でとうとう高槻教授の過去が暴かれる?ような気がします。2021/10/26
おざわさき
111
シリーズ6冊目。わー、楽しくなってきた!怪異に出会いまくりじゃないの!笑笑 既刊はあと番外編を残すのみになってしまった…。次が待ち遠しいなぁ〜。2022/01/30