出版社内容情報
病と闘い、人を癒やす。江戸の医者たちを題材にした、傑作短編集!
藤沢周平、山本一力他、人気作家が勢揃い!鍼灸師、獄医、女医者……。確かな技術と信念で患者と向き合った、江戸の医者たちの奮闘を描く。読む人の心を癒やす、まったく新しい時代小説アンソロジー。
●菊池 仁:1944年、神奈川県横浜市生まれ。書評家。明治大学文学部卒業。時代小説を中心に評論活動を展開している。
内容説明
全身に毛が生える奇病に鍼灸師が挑む(「衣替え」山本一力)。獄医の前に現れた囚人は、かつての患者の妻だった(「女牢」藤沢周平)。女中奉公を命じられたのは、藪医者と噂される内科医の家で…(「名医」宇江佐真理)。謎の白骨死体の正体を腕利きの女医が解き明かす(「蜻火」藤原緋沙子)。天然痘撲滅に命を賭けた実在の医師を描く(「かさぶた宗建」渡辺淳一)。あなたの心を温める、感涙の医療時代小説アンソロジー!
著者等紹介
菊池仁[キクチメグミ]
1944年神奈川県生まれ。文芸評論家。歴史・時代小説のアンソロジーを多数編む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
159
菊池仁氏の編による医療時代小説アンソロジー5編。豪華な作家陣。読むと思い出す秀作揃い。(一力さんのみ未読💦)安心して読めるのが嬉しい。藤沢作家『女牢』は若い立花登にニンマリしつつ、獄囚・おしのが切なかった。2021/04/23
タイ子
85
5人の作家による江戸で庶民の命を守る医師たちの物語集。この時代は医師免許とかはなくて誰でもがなれる医者という職業。それだけに医は算術ではなく、医は仁術であるべきをモットーに、助けを求める患者のために己の持っている全ての知識を使った医師たちの姿は尊い。好きなのはやはり宇江佐さんの「名医」。やぶ医者と言われる内科医に女中奉公に行く口入れ屋のおふく。閑古鳥の鳴く医院で見た医者の本当の姿とは…。うーん、さすがです!いつの時代にも患者と向き合う真摯な医者の姿は何ものにも代え難い。2021/06/25
ゆみきーにゃ
83
宇江佐さんのお話が気になり読んでみたけども、どのお話も面白くて一気読みだった。時代小説初心者なのでアンソロジー読んで気になるシリーズ物に手を出していこうかな。2021/11/30
itica
58
医療時代小説アンソロジーはシリーズものからの抜粋が多いらしい。5人の作家による鍼灸師、獄医、町医者、女医、藩医と様々な医師の真摯な姿が描かれている。検査機器などなかった時代に医師は五感を研ぎ澄ませて命に向き合った。どれも趣が違って面白いが、できれば長編でじっくり読んでみたい。 2021/12/10
けやき
50
医療時代小説のアンソロジー。 山本一力「衣替え」、藤沢周平「女牢」、宇江佐真理「名医」、藤原緋沙子「蜻火」、渡辺淳一「かさぶた宗建」の5編。藤沢作品は既読だったがやはり面白い。宇江佐さんの「名医」も面白かった。2022/01/23