出版社内容情報
「悪魔のおにぎり」の考案者、南極観測隊の調理隊員になった主婦の奮闘記!
内容説明
日本から14,000km離れた、世界で一番寒い場所・南極。昭和基地で活躍する観測隊に加わってご飯が作りたい!調理師として、主婦として働いてきた経験を活かして乗り込んだまったくの“異世界”で、献立の工夫を重ねたり、人間関係に涙したり。1年4か月の奮闘の日々を新鮮な驚きを交えて綴る。テレビ出演で一躍有名になった夜食「悪魔のおにぎり」誕生のエピソードや、食材を余さず使いつくす南極流オリジナルレシピも収録。
目次
第1章 南極へ行くまで(進路を決めかねて;南極へ行くきっかけ ほか)
第2章 南極で料理する(南極へ向かう;南極到着 ほか)
第3章 南極で暮らして(南極の音;無線でつながる ほか)
第4章 南極から日本へ(お迎えの船;越冬交代式 ほか)
著者等紹介
渡貫淳子[ワタヌキジュンコ]
1973年青森県八戸市生まれ。調理師。伊藤ハム株式会社商品開発部所属。「エコール辻東京」を卒業後、同校の日本料理技術職員に。出産後は、いったん職場を離れ、1児の母として家事・育児に奮闘する日々を送ってきたが、一念発起して南極観測隊の調理隊員にチャレンジ。3度目の挑戦で見事合格を果たし、母親としては初の調理隊員として第57次南極地域観測隊に参加。帰還後は、各誌でのレシピ紹介や講演会など活動の場を広げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
68
南極の昭和基地で調理隊員として勤務することになった著者のエッセイ。過酷な自然のなかで限定された居住区、節約しながら使わなければいけない食材など、その場に居たことのないかたにしか書けないエピソードがいろいろとあって興味深く読んだ。渡貫さんが「悪魔のおにぎり」の考案者だということに一番びっくりした。2022/03/06
Nao Funasoko
23
南極越冬隊調理隊員の1年間の記録。「悪魔のおにぎり」が南極生まれだとは知らなかった。調理以外の話もふんだんで(むしろ、そちらのほうがメイン!?)興味深く読了。2022/03/25
G-dark
21
食糧を運べるのは年に一度きり。あらかじめどの食材をどのくらいの量仕入れるか計算しないといけません。使える水の量にも限りがあります。南極に持ち込んだものは全て持ち帰らないといけないので、食材や調味料をいかに無駄なく使い切るか試行錯誤。また、現地では慢性的に生野菜が不足。仕込みに取りかかり、仲間たちの好みに合う調理方法を工夫し、美味しいお料理をふるまう…。この本にはそうした様子と、南極ならではのハプニングや人間関係の悩みが丁寧に綴られているので、まるでドキュメンタリー映画を観ているかのような気分で読めます。2024/01/06
えりまき
20
2022(293)南極観測隊の調理隊員になった渡貫さんの本。きっかけは子育て中に見た、「防寒着を着た女性が、真っ白い大地にすっと立ってるだけの写真」とのこと。子育てしながら3度目の挑戦で第57次に選ばれる。訓練や南極や帰国後の生活がさら~と紹介されていて、とっても前向きになれます!限られたコミュニティ・環境の中、隊員全員で工夫して乗り越える様子は感動しました。失敗しても責めないで、フォローして、励ます、優しい社会。読んで良かったです。 2022/11/23
遙
10
あの悪魔のおにぎりを作ったという著者さんの、南極昭和基地でご飯を作ってきた一年と4ヶ月の日々を綴ったエッセイ本。 まさに南極料理人女性バージョン。 沢山のルール、様々な人間関係、時には命に関わるような危険な出来事もありながらも 思い返すと、また昭和基地に帰りたいと願う著者さん。 厳しい南極での生活で、彼女が得たものとは。 薄い本ですがとても読み応えがあり、簡単なレシピも載っています。 南極料理人が好きな方には大変おすすめです。2025/06/22