出版社内容情報
立教大学名誉教授、自由学園最高学部学部長、元立教新座中学校・高等学校校長の渡辺憲司は、2011年3月、立教新座高等学校の卒業式が中止となり、卒業生へのメッセージをインターネット上に公開した。TwitterをはじめネットやSNSで話題となり、3月16日の一日だけで30万ページビュー、合計で80万回以上の接続数を記録。その力強く優しいメッセージに老若男女が感動した。2020年3月、自由学園最高学部長ブログ146回「今本当のやさしさが問われている コロナ対策に向けて」が再び話題に。本書は当時のメッセージを再録しブログ原稿を採録、書下ろしを加えて再編成した。混迷の時代に、生きることの意味を問う、多くの気づきと自信を与えてくれる人生哲学書。
【本書の一部を紹介】
誤解を恐れずに、あえて、象徴的に云おう。
大学に行くとは、「海を見る自由」を得るためなのではないか。
言葉を変えるならば、「立ち止まる自由」を得るためではないかと思う。現実を直視する自由だと言い換えてもいい。(略)
時に、孤独を直視せよ。海原の前に一人立て。自分の夢が何であるか。海に向かって問え。青春とは、孤独を直視することなのだ。直視の自由を得ることなのだ。大学に行くということの豊潤さを、自由の時に変えるのだ。
(本書「卒業式を中止した立教新座高校三年生諸君へ。」より)
【解説:池上彰(ジャーナリスト)】
内容説明
3.11から時が経ってもさらに世の中は混迷を極めている。「時に、孤独を直視せよ。海原の前に一人立て」卒業式がなくなった学生たちに向けた真摯なメッセージはTwitterやネットで話題となり、公開日だけで30万ページビュー、合計で80万回以上の接続数を記録、大きな感動を呼んだ。50年以上の教師生活を経て、今こそ伝えたい言葉をすべての人たちに贈る。最新の原稿や書き下ろしを加えた、人生指南“最終講義”。
目次
第1章 時に海を見よ(卒業式を中止した立教新座高校三年生諸君へ;命二つ ほか)
第2章 言葉の力、祈り、いじめ、戦争(クリスマスメッセージ「あなたの手」矢沢宰;弱さ以外には誇るつもりはありません。無名戦士の詩 ほか)
第3章 場所や人やモノとの出会いと別れ(大坪秀二先生追悼;追悼 佐藤泰正先生「文学は人間力だ」 ほか)
第4章 今、本当のやさしさが求められている(新得共働学舎という故郷;云わない教え ほか)
番外編 休校おすすめ図書(休校おすすめ図書1 漫画『風雲児たち』;休校おすすめ図書2 『蝉しぐれ』 ほか)
著者等紹介
渡辺憲司[ワタナベケンジ]
1944年北海道函館市生まれ。立教大学文学部日本文学科卒業後、横浜市立横浜商業高等学校(定時制)・私立武蔵高等学校中学校教諭、梅光女学院大学(現梅光学院大学)助教授、立教大学文学部教授を経て、名誉教授に。2010年8月~15年3月まで立教新座中学校・高等学校校長。現在、自由学園最高学部長。専門は江戸文学研究。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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