出版社内容情報
元俳優の海里は、小説家の淡海が書き下ろした作品の朗読に挑むことに。しかし自分の演じる役柄に感情移入できずに悩み、淡海の小説の取材に同行することに。「演技」に真正面に取り組む海里の答えとは……。
内容説明
芦屋の定食屋「ばんめし屋」で働く、元俳優の五十嵐海里。バイト先のカフェ兼バーで、朗読劇への出演を目指し、演じることに再び向き合うことになるが、作家の淡海が手掛けた登場人物にどうしても感情移入できない。そこで人の姿になれる眼鏡の付喪神、ロイドとともに、淡海の取材に同行することに。しかしロイドが、淡海の中に存在するはずの、彼の死んだ妹の気配を感じられないと言い出して…。大人のお料理青春小説第15弾。
著者等紹介
椹野道流[フシノミチル]
兵庫県出身。1996年「人買奇談」で講談社の第3回ホワイトハート大賞エンタテインメント小説部門の佳作を受賞しデビュー。法医学教室の監察医としての経験も生かし、監察医もののミステリも発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
274
シリーズ第15弾!よもや、過去に登場した幽霊が、再び登場するとは思わなかった。でも話自体は良かった。ウルッとしてしまった。今回は淡海さんがほぼ主役。淡海さん、しっかり空になった大きな穴を素敵な思い出で埋めて、たくさん物語を書いてほしいね。海里の朗読の話も気になる。“豚ロースのハチミツ焼き”が、めちゃめちゃ美味しそう。久しぶりに作って食べたくなる料理だよ。レシピが載ってるから作って、ビール飲みながら食べてみたいです。2021/03/05
とし
127
最後の晩ごはん「初恋と鮭の包み焼き」 15巻。淡海先生の物語の朗読に四苦八苦の海里さん、苦労してまた一歩前進しましたね。ロイドさんは良きアドバイザーですね。2021/06/23
タイ子
117
シリーズ第15弾。海里の朗読劇への修行もなかなか思うように進まず悩み多きところ。こういうのを読むと名俳優と呼ばれる役者さんてスゴイなと思う。海里の兄夫婦の子供の問題、淡海に同行して出会った戦争体験の語り部の老人の本当の想い、淡海の胸の中で生きている亡き妹の存在、今回も生きることの楽しさ、切なさ、哀しさを感じさせてくれる。もちろん「ばんめし屋」の夏神さんのカッコ良さと、ロイドのおちゃめな紳士っぷりは相変わらずで面白くて時にウルっとさせてくれる。淡海の妹・純佳の天国への旅を祈って。2021/03/10
真理そら
97
自分を肯定してくれる絶対的な味方の存在からちょっとした万能感をもってしまった淡海先生、次巻ではまた違う雰囲気を見せてくれるかな。奈津の一種の拒食症からの回復場面ではグッときた。精神的に追い詰められた気分の時は何気ない食べ物が回復のきっかけになるよね。2021/03/07
坂城 弥生
76
想像だけで何かを形にする怖さ、海里の役作りにそれを具体的に見せて指導する悠子さん。とても素敵な師弟関係だなぁと。2021/03/29