出版社内容情報
生粋の博多っ子のかなめは、高校時代に片思いをしていた博と再会。しかし博はアンチ博多人間になっていた! ふたりは突然、「福岡」の文字がすべて「博多」に入れ替わった「羽片世界」に迷い込んでしまい!?
内容説明
博多至上主義の「羽片世界」。そこには福岡市の転覆を狙うカタハネという者たちがいた。彼らを止められるのは、生粋の博多っ子のかなめと博多にトラウマを持つ博の凸凹コンビだけ!?稀代の世界観構築士が贈る超ド級エンターテインメント!
著者等紹介
三崎亜記[ミサキアキ]
1970年、福岡県生まれ。熊本大学文学部卒。2004年、「となり町戦争」で第17回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、同作で第18回三島由紀夫賞、第133回直木賞にもノミネートされる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
107
博多愛に溢れた作品だった。この本は一言で言うと、博多と福岡の命名をめぐるバトルの物語です。鉄道の駅がなぜ博多駅なのか?なぜ博多市ではなく福岡市なのか?そんな疑問を多くの蘊蓄を混ぜて語っていた。文章は博多弁満載で、福岡を知る人には楽しめる一冊だと思う。自分も20年前まで一時期福岡に住んでいたことがあるので、読んでいてとても面白かった。自分が住んだのは7年だけなので、福岡の文化を吸収し尽くしたとは言えないが、この住みやすい街に住めたことは幸せだった。タイトルのさっぱそうらんは大騒ぎの事だと初めて知った。2021/12/20
☆よいこ
84
福岡検定受験者必読本。「#福岡市を博多市に」8年ぶりに東京から帰ってきた幼馴染の博(ひろし)は、福岡知識は豊富なクセに極端な博多嫌いになっていた。生粋の博多っ子のかなめは、博の態度が気に入らない。反発するふたりは、福岡と博多をめぐる争いに巻き込まれていく[第1話︰せいもん払い]山笠を導け[第2話︰玉せせり]ゴミ収集車で玉せせり[第3話︰どんたくの「とおりもん」]博多大仏VS福岡大仏[第4話︰博多駅沈没!]博多駅前沈没の真相▽どっぷり豚骨濃い味のトンデモファンタジー。バリカタです。福岡には色んな神様がいる。2022/04/18
ジュール リブレ
72
少し違和感を覚えて手に取りました。三崎亜記さんが現実の地名の本を出すなんて。元はRKBラジオドラマだったそうです。とは言えやはり。現実と幻想が一つになって、博多駅前の陥没事故から博多駅が沈没?のオビまで。近隣の名所も網羅し巻き込みながら奇想天外なお話が続きます。地元の人なら知ってることも、部外者からは遠いなぁ。通りもん、食べながら読み耽るのはサイコーです。2021/12/20
なゆ
69
ああ〜、確かに博多と福岡は火花がね。それをまさか三崎さんがこんな風に膨らましたストーリーにしてくれるとはね!ばり嬉し〜!ちょっと博多弁がコテコテを超えてギトギト、それこそ博多っ子純情かばってん荒川しか使わんやろって感じだけど。三崎さんお得意の異世界と隣り合わせな感じと、コミカルでドタバタな感じが何とも濃ゆい。そもそも「よかよ」は使わんしストーリー的にはアレなんどけども、知らん蘊蓄もちょいちょいあったり、なんと言っても博多愛あふれるとこが嬉しいではないの。博多のことをどっぷり書いてくれただけで、よかよか!2022/05/09
信兵衛
28
三崎亜記作品というと奇想世界という印象があるのですが、本ストーリィはまさにその典型。 ただし、これまでの作品よりユーモア度が高い印象です。2022/01/04