角川ホラー文庫<br> 東京をんな語り

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角川ホラー文庫
東京をんな語り

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  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041109694
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

白い彼岸花を見た余韻を引きずりながら、青山タクシー幽霊の足取りを辿るため浅草に向かった著者。それを発端に都内各所を廻るうち、因縁の歴史を生きた女たちと同一化していく錯覚に陥っていく……。

内容説明

青山霊園で白い彼岸花を見た奇譚蒐集家の私は、その暗示的な花言葉を引きずるようにして谷中に向かう。「乗せた女性が忽然と消えた話」で有名な青山タクシー幽霊の足取りを辿るためだ。それを発端に、怪異の糸に導かれるように都内各所を巡回。行く先々で、夜嵐おきぬ、花井お梅、妲己お百ら、因縁の歴史を生きた女たちの魂と同一化していく…。生々しく語られる業深い話の数々。虚実が交錯する、書き下ろし幻想ルポ怪談!

著者等紹介

川奈まり子[カワナマリコ]
東京都生まれ。作家。日本推理作家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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HANA

65
「夜嵐おきぬ」「妲己のお百」「花井お梅」東京を舞台とし虚実定かならぬ「おんな」達の声と著者の過去、そして東京の地霊が感じられる怪談の数々…。著者の怪談の最大の特徴は江戸時代の考証随筆を思わせるその筆の運びだけど、本作はそれが遺憾なく発揮された一冊となっている。著者の叔母の話や歌舞伎や演劇の元となった悪女の数々が著者の筆にかかると此岸と彼岸のあわいを越えて、どこかぼんやりとした印象と共に伝わってくるなあ。数々の人の想いを飲み込んで今日もあり続ける東京が、艶と湿気と共に伝わってくるような一冊であった。2021/06/08

キンモクセイ

51
実話怪談と思って読んだら違った。本人が実体験したちょい不思議な話と彼女の親類関係だった女性が引き起こす出来事にヒトコワ系がある。人って精神に異常をきたすと全く別人になってしまうのは違う意味で怖い。明治三大毒婦の紹介。*旦那を毒殺した妾、原田キヌ。*一夜の代償を未払いした男を殺害した高橋お伝。*短気だけど人気芸者で歌舞伎役者に入れ揚げた花井お梅。全く知らなかった彼女たちの半生を知ることができたけど、私は純粋に実際の怪異や実話怪談を読みたかったな。2021/03/19

坂城 弥生

48
明治3大毒婦と言われる女たちの話と、現代の話が混じり合ってた。2021/03/26

あたびー

31
著者の親族を巡る私小説と、明治三大毒婦「夜嵐おきぬ」「妲己のお百」「花井お梅」にそれぞれ著者が憑依したように一人称で語る顛末、そして江戸・東京と言う大都市を辿り歩きながら綴られる仄暗いツアーガイド。映像作品のようにそれらが入れ代わり立ち代わり目前に現れる作品です。わたし的にはやはりいつも川奈さんのご家族周りを(多分勇気を振り絞って)描いた文章に圧倒されます。著者が今まで培った技量で新たな世界を切り開こうとしているのが伝わってくる本に仕上がっていると思います。2021/03/01

26
此岸と彼岸の合間を漂っているような気持ちで読みました。 2021/03/27

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