出版社内容情報
推理研究会めあてに戸山大学に入った蝶子。だがうっかり酔いの追究が目的の〈酔理研究会〉なるサークルに入ってしまう。そこにいたのは不思議な雰囲気を持った幹事長で……。四季の行事を通じて描かれる青春歳時記!
内容説明
『ここは推理研究会ですよね?』『いかにも、ここは酔理研究会だ』―それが神酒島先輩と、私の世界を変えるサークルとの出会いだった。憧れの“スイ研”で待っていたのは、果てなき酒宴と“酔い”の理。そして不思議な瞳を持つ幹事長・神酒島先輩で―。共感度抜群!!名無しの大学生たちの青春歳時記!
著者等紹介
森晶麿[モリアキマロ]
1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら執筆活動を続け、2011年『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第一回アガサ・クリスティー賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
72
戸山大学にあるスイケン。それは酔拳でも推理研究会の略称でもない。ただ、李白のように酒を呑み続け、酔いに任せるというサークルなだけなのだ。森見登美彦氏の京都の阿呆学生シリーズ好きの人にはたまらんであろうゆるゆるラブコメ+日常の謎。特に情けない私怨によるサークル活動の存亡を賭けたゲリラも含む攻防戦は必見!そして社会的では「何者」でもない大学生としての蝶子の卑下にある自意識や葛藤は共感する所が多かったです。酒好きとしては是非とも入部したいのだが、鏡月(アセロア)一杯でコテンとなるから無理か・・・(ヾノ・∀・`)2014/02/09
ひめありす@灯れ松明の火
65
多分第一話をアンソロジーで読んでいるはず……。某有名マンモス大学をモチーフにしている戸山大学。そこにあるという酔理研究会。酒だけでなく、彼らは色々な物に酔います。名勝負に酔い、船に酔い、恋に酔い、雰囲気に酔い、夢に酔い、文学に酔い、雪に月に花にと、酔わずに済むものの方が少ないのではないでしょうか。硬派女子弥生ちゃんとモッキンの恋が可愛かったです。上手くいくといいな。でももう少しお酒は楽しく適量を守って。そして学生の本分は勉強ですからお忘れなく!!でも何となく、理に酔うと言うのは良い言葉だなあと思いました。2014/06/30
のいじぃ
64
読了。大学サークル、酔研の面々が周りを巻き込んでいく物語。短編を読んだのが約2年前、当時は清く正しい狂乱の有様に楽しそうだと思いましたが、その後の軌道修正かエリカ嬢は早々に退場、残るはいつもの森テイストでなんとも言えない気持ちに。なぜイケメンでモテる必要があるのか、なぜ振る必要があるのか、なぜ申し合わせたように言葉を飲み込むのか、その辺の表現も同じなのでどうしても「またか」と思ってしまいます。カラス然り、かぐや姫然り、小道具までもが共通しているのでもう少しバリエーションが欲しいところ。ラスト一冊読む予定。2015/11/24
しょこら★
59
雰囲気が、夜は短しっぽい…?酔うために、昼も夜も関係なくお酒を飲むサークル「酔研」。世の中には、こんなお馬鹿さんな大学生がいるのかしら?(笑)ただ呑むだけでなく、情緒あり、ミステリあり。酔う、にもいろいろある。ミッキー先輩とオチョコちゃん、うまくいくといいなー。2015/04/04
ぽぽ♪
56
森さん初読みです。元子役、現在地味な大学生の蝶子。「推研」と「酔研」を間違えて入る羽目になり、そこで出会った神酒島と、日常の謎を解明していく。蝶子が水だと思って飲んでたのが酒ってのに、気づかないのが凄すぎます。缶チューハイ半分で酔う私から見れば羨ましい!ミッキー先輩と蝶子の、のらりくらりな関係もじれったい!続いて続編読みたいと思います。2015/09/13