内容説明
古来、武をもって朝廷に仕えてきた大伴氏に、2代続けて優れた歌人当主が現れた。「武」ではなく、「言の葉」で世を鎮めようとした壮大な試みが幕を開ける!「万葉集」編纂の真実。衝撃の古代史小説。
著者等紹介
篠崎紘一[シノザキコウイチ]
1942年、新潟県生まれ。早稲田大学文学部卒業。IT関連企業の社長を務める傍ら小説家を志し、2000年、『日輪の神女』で第1回古代ロマン文学大賞を受賞しデビュー。以後、現代的な解釈で古代史を読み解く古代ロマン小説に取り組み、『悪行の聖者 聖徳太子』は聖徳太子の新たな一面に光をあて、話題を呼んだ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
小説、文学本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソババッケ
6
大伴家持の生涯を通じての、万葉集編纂への取り組みが描かれている。タイトルから予想はしていたものの、おどろおどろしい世界をも描いている。確かに当時の精神世界からすると、人の病理や生死、特異な自然現象などは怨霊や言霊、あらゆるものに存在するとされる神のなせる業と考えていたことは十分に肯ける。和歌の総数は4,516首、うち無名の民の歌は2,700首を超えている。そして謀叛人23人の歌も。防人の歌も数多く。このあたりを取り入れた意味は大きい。それにしても権謀術数の渦巻くなか、家持はよくぞ泳ぎ渡ったこと。★3.22013/03/13
帆
3
呪術のまとめの本?っていうくらい迷信や呪術の話が多かった。万葉集が世に出るまで…の話にしては、歌は出てくるけどさらっと歌意を並べてあるだけで、読んだ人についてはほとんど触れてない。政治情勢の説明はたっぷりあるのに感情表現が少なくて、感情移入してしまう部分がまったくなかった。帯に他の作家さん達?が絶賛してる言葉が並んでいたので買ってみましたが、帯に書いてあることは間違っちゃあいないけど、万葉集の話だとは思わない方がいいかも。いかにも男性が書いた歴史小説だなぁという感じでした。2013/12/22
ひろこ115
3
万葉集は単なる歌集ではなく、実は…という話。日本の古代人たちの死生観も垣間見ることができます。2013/05/15
washi
3
万葉集を世に出すための様々な困難が描かれていて、史実だけでなく当時の人間の霊に対する姿勢や思想が非常に興味深く、面白かったです。2013/04/01
おた0627
3
スピリチュアリズム(心霊主義)文学です。万葉集を国書として世に出す苦労の物語ですが、古代からの民俗、生霊、怨霊、幽体離脱、輪廻転生など、古代人の世界観が面白いです。2013/04/06