内容説明
捨てられても飢えても傷つけられても命ある限りくじけない。多摩川に棲む猫たちの現実を知って欲しい。四半世紀にわたって撮り続けられた、壮絶ないのちの記録。
著者等紹介
小西修[コニシオサム]
1956年生まれ。コマーシャルスタジオを経て広告写真を手がける。1990年から、妻・美智子とともに多摩川に捨てられた不幸な猫たちの保護、給餌、病気や怪我の治療、不妊去勢手術、里親探しなどの活動を続ける。また、ホームレスの皆さんの支援活動も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ann
30
ほとんどの猫たちは血だらけ傷だらけ。「野生」の一言では済ませてはいけない、最下部で生きる彼らの悲惨な運命。彼らの写真を通して透けて見えてくる現代社会の暗闇。暗闇に生きる人々でしか、この小さな猫たちの気持ちはわからないのか、、、。カメラマン小西氏の思いが広がることを信じる。「きれいな猫」だけが猫では決してない。2015/11/04
たまきら
28
浅草ギャラリーエフにて。見つめてくる猫の写真を横目に本を手に取る。小西さんがいらしたので特に気に入ったレンマについて伺う。普段はおとなしい百戦錬磨のレンマ。仲間にけしかけられた犬を襲う時の気迫と、顎の力の話は自分には英雄譚のように聞こえた。彼の母親が28歳となり今小西さんの家にいるという話に、不思議な縁を思う…。それでも生きていくものたちの目線にどぎまぎしながら。全ての猫を支える人々へお勧めしたい一冊です。2021/10/07
くるぶしふくらはぎ
17
写真集を見るつもりで借りましたが、これは、読む作品です。猫は小さな生き物です。でも、ここに登場する猫たちのメッセージは大きい。小さな子猫も、生きるために懸命です。2017/08/20
ゆきんこ
5
ページをめくる度に、次の子は生きているのだろうかとドキドキしながら見ていった。多摩川縁で生きていくだけで大変なことなのに、捨てに来る人が後を絶たない。そして猫達にさらにひどい仕打ちをする人たちも後を絶たない。猫達を飼い犬に噛み殺させたり、刃物で切りつけたり、エアガンで撃ちぬいたり、毒殺したり・・・考えられない。マスコミが大きく取り上げても不思議でないことが、日常茶飯事の多摩川。もっと多くの人が現状を知り、少しでも関心を持ち声を上げれば、猫達が平穏に暮らせるようになる日が来るのではないだろうか。2013/10/08
サクラ
4
可愛さだけを求めてこの本を手にしてはいけません。衝撃的な姿を見ることになります。猫同士だけじゃなく犬や狸、プレイリードッグ達が、種族を越えて仲良くすることができるのに同じ人間で闘い、他種族や子供を遊び感覚で虐待する…人とはなんだろう。2023/11/11
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- 和書
- 第十の予言 角川文庫