信長死すべし

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  • サイズ B6判/ページ数 402p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041101889
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

『利休にたずねよ』の著者が「本能寺の変」に挑む、待望の本格歴史巨編!

武田氏を滅ぼした織田信長は、正親町帝に大坂遷都を迫ろうとしていた。帝の忍耐は限界に達し、ついに重大な決断を下す。天下統一に王手をかけた信長を、造反に至る明智光秀など周囲の動きの中から炙り出す歴史巨編。

内容説明

本能寺の変まで、残り三十八日。「信長を粛清せよ」天正十年夏。正親町帝の密勅が下り、日本史上もっとも濃密な時が流れた。運命の六月二日、本能寺の変に向けて―。明智光秀をはじめ、近衛前久、吉田兼和、勧修寺晴豊、里村紹巴、徳川家康ら、織田信長を取り巻く人々の動きから、本能寺の変を炙り出す歴史巨編。

著者等紹介

山本兼一[ヤマモトケンイチ]
1956年、京都市生まれ。同志社大学文学部美学及び芸術学専攻卒業後、出版社勤務を経てフリーライターとなる。99年「弾正の鷹」で小説NON短編時代小説賞を受賞。2004年『火天の城』で第十一回松本清張賞を受賞し、09年『利休にたずねよ』で第百四十回直木賞を受賞。作品は他に、骨太な歴史小説や、人情味ある時代小説と、多岐に及ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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さと

104
朝廷の陰謀による信長暗殺 という立ち位置で俯瞰するも、誰もが脇役な感じを否めなかった。ならば、私が好きな信長を梟雄として、若しくは明智光秀を秘めたるものを持った武士(もののふ)としてもっとデフォルメ化して欲しかった。これでは信長は単なる国取りの武ではないか。彼の傍若無人ぶりは異論を挟むところではないが、その天才性がそれを凌駕するからこそ今なお愛されるのだと思っている。信長ファンとして少し残念な読後感。2019/05/04

chimako

91
今まで何度も明智光秀の三日天下を観てきた。究極の裏切り者として描かれる場合も信長の悋気故の自業自得と描かれる場合もあった。源氏の流れを汲む美濃土岐氏の支流に生まれ真面目一徹、義のためならば命も惜しまない武将……そんな印象が強い。その光秀が今回は謀られる。嵌められる。首謀者は帝。自分の手は汚さず証拠も残さず信長を討つ手だてを講じた。利用される光秀……だが、光秀自身も討ちたかった。体が散々になるほどの苦悩が寄せる中で「信長死すべし」と気持ちが固まっていく様子が上手い筆で書かれていく。やるせない読後感だった。2016/12/14

文庫フリーク@灯れ松明の火

91
「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。一度生を享け、滅せぬもののあるべきか」誰もが承知の本能寺の変。好んだ敦盛の、人間五十年を迎えることなく逝った稀代の梟雄・信長。信長を討った明智光秀の背後に、朝廷の暗躍が有ったとする朝廷黒幕説を基に、関わった十人の視点から描かれる。全二十章の内、最も多いのは光秀視点の五章。次いで信長が三章。真の黒幕たる正親町帝の名が冠されるのは最初の一章のみ。信長粛正の勅命は「ときは今、天が下しる五月哉」の一文。朝命を受けて反乱鎮撫などに赴く武将に渡す任命の標(しるし)→2013/10/01

NAO

76
【『歴史・時代週間』参加】『利休にたずねよ』と同じスタイルで、朝廷側の面々、織田信長、明智光秀など様々な人々の真理を描きながら、本能寺の変へと導いていく。中でも、公家たちの卑屈に見えながらものらりくらりとして本性を見せない態度が、絶妙に描かれている。本能寺の変に至るまでの明智光秀の真理は、少し単純に描かれすぎているかもしれない。本当は、もっと複雑な駆け引きがあったのではとか、実は別の黒幕がいたのではないかとかいわれてもいるが、小説に描くには、これぐらいすっきりしている方が分かりやすいのかもしれない。2019/03/29

藤枝梅安

67
「本能寺の変」に関しては、これまでも何篇かの小説を読んだ。秀吉陰謀説や抜け穴から信長が逃れた、という説もあった。山本さんは「本能寺の変」の1か月半前から光秀の死までを、日付と語り手を変え、さらに「火天の城」のテイストも加えた。「利休にたずねよ」と同じような展開だが、ここでは時系列通りに話を並べてある。従来の「本能寺の変」ものと異なるのは、正親町帝や近衛前久、里村紹巴など公家や文人にスポットを当てた点であろう。信長対光秀ではなく、信長対朝廷のせめぎ合いの中で光秀が利用されたという説は複雑だが説得力がある。2012/09/04

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