雪と珊瑚と

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  • サイズ B6判/ページ数 319p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041101438
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

強くたくましく人生を切り開いていくシングルマザーのビルドゥングロマン!

珊瑚、21歳。生まれたばかりの赤ちゃん雪を抱え、途方に暮れていたところ、様々な人との出逢いや助けに支えられ、心にも体にもやさしい、惣菜カフェをオープンさせることになる……。

内容説明

珊瑚、21歳。生まれたばかりの子ども。明日生きていくのに必要なお金。追い詰められた状況で、一人の女性と出逢い、滋味ある言葉、温かいスープに、生きる力が息を吹きかえしてゆく―。シングルマザー、背水の陣のビルドゥング・ストーリー。

著者等紹介

梨木香歩[ナシキカホ]
作家。1959年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

361
梨木香歩には珍しい純リアリズム小説。タイトルもまた梨木作品らしくない。このタイトルで、そして別のペンネームで出版されていたとすれば、これが梨木作品だと見破るのは相当に困難だ。もともと、彼女は、作品のあり方によっていくつもの文体、スタイルを持った作家であった。だから、ここでも、きっとこういうスタイルが必要だったのだろう。また、これはこれとして好きだという読者もいるだろう。しかし、残念ながらこの作品にあっては、その世界観が通俗的過ぎるのだ。超俗的なものと、日常の不思議な混淆にこそ梨木香歩の世界があったからだ。2012/08/28

風眠

263
梨木さんが書く女の人は、みんなとても魅力的だ。この物語に出てくる女の人達もとても魅力的で、どこかに少しずつ共感できるところがあるのが、いい。梨木ワールドとも言える「不思議なこと」は何も起こらないが、淡々と、けれど丁寧に暮らしていく様子が、静謐で美しい文章によって綴られている。そして、この物語に出てくる食べ物がまた魅力的である。地味だけれど滋味あふれる料理は、真似したいと思うものばかりだった。読み終わるのが嫌だ・・・と思いながら、大事に大事に読んだ本だった。2012/06/11

なゆ

193
中盤までの感じでは、親からも見捨てられた孤独で無職なシングルマザーの珊瑚が、食べることの大切さに気付き、何もないところから体に優しいカフェを開く、という話かと。でもただの夢物語ではなく、母性のない母親との関係に苦しんだり、娘の雪を愛おしく思う日々のなかで虐待の連鎖のことも考えていたりの、母子関係。同情。施し。嫉妬。プライドの鍛え方。珊瑚の抱える葛藤が、くららさんとの会話の中で形をかえていく。くららさんの料理は素朴で優しさに溢れてて素敵!雪の初めてしゃべった二語文「ごあん、おいちいねえ」には珊瑚と一緒に涙。2012/06/30

takaC

185
「ああ、ちゃーちぇねー」 ずっと、”き”にアクセントを置く snow 読みの雪でタイトルを読んでいたが、間違いでした。”ゆ”にアクセントですね。2012/12/12

くりきんとん99

183
面白かった。ネグレクトされ育った21歳の珊瑚が、シングルマザーとなり雪を育てていく。大事に大事に育てているのがよくわかったし、高校中退とは思えないほどしっかりしている珊瑚がすごい。くららをはじめとする周りの人たちに恵まれ、支えられている珊瑚がちょっと羨ましいくらいだった。この物語に出てくる食べ物がすごく美味しそう。料理本を出してほしい。2012/05/19

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