内容説明
15歳の夜、ライラの故郷と家族を奪った蒼竜王・ルガー―種族を超えて慕う初恋の人。唯一の復讐方法は、竜人にだけ効く毒を100日間口づけで与えることだった。ライラは竜人の花嫁「番い」と偽り蒼竜の里へ向かうが―「手を取り合うことができれば、蒼竜の一族も、人間ももっと豊かになる」仲間を思い人と共存を目指す姿に、戸惑いは復讐への迷いに変わり…!?第18回角川ビーンズ小説大賞・奨励賞・読者賞・W受賞作!
著者等紹介
たちばな立花[タチバナリッカ]
北海道出身。第18回角川ビーンズ小説大賞にて奨励賞・読者賞を受賞。『世界で一番甘い毒―竜王と花嫁、まやかしの恋』(受賞作・改題改稿)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆなほし
33
故郷と家族を奪った蒼竜王ルガー、種族を超えて慕う初恋の人に対する唯一の復讐方法は、毒を100日間口付けで与える事だった―。とても読みやすく、切ない愛と復讐の物語だった。竜人、番いなどオリジナリティ溢れる設定が魅力で、ともすればふわふわ軽くなりがちなファンタジー的要素を、「復讐」という根幹がしっかり支えている。命をかけて殺そうとする相手に対する気持ちが、次第に変化する過程が丁寧に描かれており、とことん感情移入してしまい、苦しくなる。伏線や真実も無理のない範囲で上手く落とし込んであり、読後感も清々しい。2020/12/13
虚と紅羽
11
竜王を殺す為その身に取り入れた、自分を100日間だけ『番い』にし、取り入れた者を蝕む薬/毒。100日間キスで与えれば竜王をも殺し、自身を蝕む『番い』の薬を解毒する毒/薬。運命をも偽るまやかしの復讐異種族恋愛譚。 上下巻で出してもっと甘い部分増やして良かったかも。もう一押しが足りない。概ね面白かっただけに、一巻でサラっと終わるのがあまりにも惜しい。上下、多くて三巻ぐらいだしてくれれば確実に文句のつけ所がなかった。 無邪気な精霊達が可愛い……。精霊は総じて竜人よりも上位種族なのがポイント高い。2020/10/05
シャルル
2
番(つがい)とはなんなのか?がテーマの物語。 物語に引き込ませる文章と、ライラの心境がどんどん変化していく100回のキス。本当の番じゃないとわかって、ルガーの揺れ動く気持ちと変化…。番じゃないのにどうやって結ばれるだろうという思いと、キュンキュンとドキドキ感から、スイスイ読めました。一回目に読んだときには駆け足気味だとしか思えなかったラストも、色んな人(人以外)たちが、大切な人たちを思う気持ちが込められてて、うるっときました。小説としても恋愛小説としても、満足がいく一冊でした。2022/02/06
八朔
2
初読。これがデビュー作かー完成度高いなぁ。切なさとキュンが入り混じってとてもよかったです。今後が楽しみな作家さんです。2021/05/16
小鳥遊理那
2
人外、番いという設定と表紙があまりに美しくて購入。番いというものが存在する世界で、番いと偽ってヒーローのルガーに近づくヒロインのライラ。 故郷と家族を奪われた復讐だけで近づいていきますが、触れ合ううちに本当にこの人があの事件を起こしたのかと疑問が膨らんでいきます。だんだんと好意も芽生えていき、「番いでない以上結ばれるのか…?!」とソワソワしてイッキ読みしました。 シリアス展開が続くのでできれば上下巻でゆったりと読みたかった…!こういう話もあるのか!と新鮮な展開でした。 2020/11/28