出版社内容情報
四人家族の大黒柱である尼子拓真は、新築一軒家を購入し幸せの絶頂だった。
だが家にお香のような甘い匂いや女の笑い声がし出し、派手な着物姿まで目にする。
拓真は恐怖するが、妻と高校生の娘は何も感じないらしく、不審な目で見るばかり。
霊が視えるというガールズバー店員のミヤに尋ねてみるも、何も視えていない様子に絶望する。
だが実はミヤは、拓真の呪いの正体に気づきながらも黙っていて――?
恐い。なのに止められない。
徹夜覚悟の最凶ホラー・エンタメ!
内容説明
4人家族の大黒柱である尼子拓真は、新築一軒家を購入し幸せの絶頂だった。だが家にお香のような甘い匂いや女の笑い声がし出し、派手な着物姿まで目にする。拓真は恐怖するが、妻と高校生の娘は何も感じないらしく、不審な目で見るばかり。霊が視えるというガールズバー店員のミヤに尋ねてみるも、何も視えていない様子に絶望する。実はミヤは、拓真の呪いの正体に気づきながらも黙っていて?ノンストップホラーエンタメ!
著者等紹介
滝川さり[タキガワサリ]
1992年兵庫県生まれ。兵庫県立大学経済学部卒。2019年「お孵り」で第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞読者賞を受賞し、デビュー。現在、大学職員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
142
好印象、の一冊。念願の新築一軒家を購入した直後始まった怪異。お香の匂い、うふふ…の笑い声、そしてついに着物姿の女が…と掴みはバッチリ。前作ほど一気読みとはいかないまでも、散りばめられた謎は興味津々、その謎が回収されていく過程はなかなかのスッキリ感を味わえた。そして何よりも家という場をホラーに仕立て上げ、安心感から恐怖心へと変える設定は面白い。哀しみも溢れる対決シーン。せつなさにも対峙するかのようなこの霊能者コンビが好印象。明るい明日へと心疼かせるような心地良い読後感、これまた好印象。#ニコカド20202020/11/25
スエ
82
マイホームを手に入れ、幸せ絶頂の四人家族。…そんな時、異変は訪れた。「うふふ」耳元で聞こえる女の笑い声。 怪奇現象は続き、とうとう姿を表した着物女!! 「呪いは感染するから」いざ、対決!!2020/11/16
あっか
76
新刊。デビュー作お孵りが面白かったので今巻も期待して^^期待通り、良かったです!すぐ世界観に入り込めて、違和感もなく、伏線も全部回収してくれたし全体的に情景も分かりやすいし怖い。え!?という驚きもあり。ダレずに勢い込んでグングン読み進めちゃいました。波瀬が良いキャラなので単発は勿体ない…シリーズ化して欲しい。…が、ガールズバーで働く霊能力のある女の子、男女コンビ、タイトル、設定や読み心地、アクションばりの対決…等々、澤村伊智作品の比嘉姉妹シリーズをかなり彷彿とさせます。そちらが好きなら、この作品もぜひ!2020/10/25
眠る山猫屋
74
読み易く一気読み、なかなか巧い。男にしか見えない怪異、家庭内での父娘の軋轢、原因と元凶と組み立てと伏線がキチンとしていて読ませるなぁ。序盤の犇々と近づく薄気味悪い影が後半に向かうにしたがって、ちょっと妖怪退治アクション寄りになっていくのが惜しい気もする(なぜなら比嘉姉妹という先達がいるから)が、アキの正体には驚かされたし、だからこそのエンディングの清涼感。二作目でこのクオリティー、目が離せない作家さん。2020/11/21
HANA
62
幽霊屋敷ホラー。買った家に新築にもかかわらず様々な怪異が起こり…という粗筋は大好き。ただ大方の幽霊屋敷小説がその原因を過去の因縁に求めるという形を取っていて、本書もその例に漏れず。ただ大半が過去その場所に人間が原因で起きた事により因を生じているのに対し、本書は別の要因が原因であるのは面白い。ただ澤村伊智の某小説を思い出したりもするけど。ただ惜しいのは怪異に対抗している霊媒師の役割があまりにも強すぎてあまり恐怖感を覚えない事かな。この辺の塩梅って本当に難しいと思う。あと『お孵り』よりは陰惨さは少なめでした。2022/03/16