内容説明
足音が背後に迫る。かり、かり、がりっ―。真琴と野崎の結婚式。琴子は祝いに駆け付けるが誤って真琴に怪我をさせてしまう。猛省する琴子は真琴に代わって、通行人を襲い建造物を破壊すると噂の「見えない通り魔」の調査に乗り出す。不気味な足音を頼りに追跡した通り魔の姿は、余りにも巨大な化け物だった…。果たしてその正体は!?論理的にして大胆な霊媒師・比嘉姉妹が怪異と対峙する書き下ろしの表題作ほか全5編を収録!
著者等紹介
澤村伊智[サワムライチ]
1979年大阪府生まれ。2015年、『ぼぎわんが、来る』(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回日本ホラー小説大賞“大賞”を受賞。19年、「学校は死の匂い」で第72回日本推理作家協会賞短編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
303
待望の比嘉姉妹シリーズ新作は5つの短編集…結婚式で未来が視える話、都市伝説に関する話、神隠しされた兄が帰ってくる話、学校の怪談風の話、そして姉妹が活躍する怪奇話。 前作『などらきの首』と同様に各々のテイストが違う楽しさがある。中でも『赤い学生服の女子』は「こういう再登場の形もあるんだ」と美晴に再会できたのが嬉しかったし、そこそこ怖くて好み。表題作は「待ってました!」の琴子と真琴の活躍で『ぼぎわん』の第3章に似た妖怪退治サスペンスにワクワク…姉妹愛も良かったし、野崎も含めた三人を中心に長編をお願いしたい♬2021/02/16
ミステリにゃん
247
これはこれで面白いがかえって比嘉姉妹の長編が読みたくなってくる。次回作はまだかなぁ。比嘉姉妹は規格外そんな感じなので短編では収まりきらない印象。
さくりや
238
表紙がドピンクじゃなくなっている!こっちの方がお洒落で好き笑。「鏡」なんでこんなに女の敵代表みたいな男を描くのが上手いの……!野崎はいつでもストーリーにキレを出してくれる。「〜レイコさん」ホラーミステリ。どの辺が比嘉姉妹シリーズなのか分からなかった。「鬼の〜」これ、怪現象と見せかけた人怖だと思う笑。一人称語りだからこそ、心霊か狂人か分からないっていう。「赤い学生服〜」怖いのよこの人の本は!ラスト1文で震え上がった。表題作はシリーズ本流のパニックホラーと言った感じ。個人的には怪現象の中にも論理がある方が好き2021/01/25
ぽんすけ
235
久しぶりの比嘉姉妹。久しぶりすぎて登場人物とかうろ覚えになっていて前作ししりばを読んだのはいつだったか確かめたら5年前w記憶が朧げになるのも仕方ない。今回は短編集ということで手軽に読めてよかった。「鬼のうみたりければ」これが何とも言えない読後感だった。妻が一生懸命家庭を維持しようとしている中で、何も手伝わない無職の夫とかゴミ以下である。神隠しからひょっこり生還してきた兄の方がよっぽどいい。その兄を妬んで何度も殺す夫が最低すぎる。結局双子の兄の方は本当にいたのかな。あと好きだった美晴が出てきて嬉しかった。2025/05/20
のり
201
5話からなる短編集。表題作では「真琴」が「琴子」に一歩近づく件になっただろう。この姉妹の掛け合いは、一般的にズレてはいるが、この二人らしい間が良い。表情には出さないが「野崎」との新婚生活を心配する姉らしい一面も。他の4話もジワジワ恐怖感が迫ってくる。ラスト一行まで気が抜けない。「鬼のうみたりければ」が一番の好みだった。2021/11/30
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