内容説明
夜だけ開店、メニューは1種類。海里が働く芦屋の定食屋「ばんめし屋」に、迷惑な酔客が現われた。カラフルな髪色の彼女、レイナは、海里の役者時代のファンだという。しかし彼を見て失望し、品切れのトンカツを食べたいと言うなどやりたい放題。聞けば「人生最後の夜に、憧れの人に会い、大好物を食べたかった」らしい。実は彼女は地下アイドルで、未来に絶望していて…。海里の新たな挑戦にも胸躍る、お料理青春小説第14弾!
著者等紹介
椹野道流[フシノミチル]
兵庫県出身。1996年「人買奇談」で講談社の第3回ホワイトハート大賞エンタテインメント小説部門の佳作を受賞しデビュー。法医学教室の監察医としての経験も生かし、監察医もののミステリも発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
246
レイナ、とりあえず良かったね。楽しくても、辛くても、寂しくても、お腹は減るもんさ。しっかり食べれば力は湧いてくるよ。今回はとにかくトンカツが食べたくなる。個人的には、おろしトンカツは大根おろしだけでいい。大葉が苦手なもんで…。雑炊、最高だね。筑前煮も食べたい。筑前煮に甘栗は合うのかな。試したくなるね。このシリーズでこんなに今すぐ食べたいと思う料理が出てくるのは初めてかもしれない。今作、読んでて違和感。幽霊どうした…。幽霊でなく魂らしきものが…。いつものパターンとは違ったけど、これはこれで面白かった。2020/10/03
タイ子
110
シリーズ第14弾。今回は冒頭から夏神さんの夢でホロリとさせてくれる。元地下アイドルが全てを無くして「ばんめし屋」に泥酔状態で現れ、彼女との交流が始まる。見かけは派手だけど彼女の抱えている闇は切ない過去にあった。悩み深き元アイドルに寄せる夏神、海里、ロイドの優しい眼差しと美味しい料理が彼女の心をほぐしていく。何といっても夏神さんの一言、一言が沁みる。心に傷を抱いてきた人だからこそわかる他人の心の傷。今作は幽霊さんの登場がなかったけど、代わりに優しい…。筑前煮が美味しそうだったなぁ。2020/09/08
ぶんこ
78
感想が行方不明になっていたので再度アップ。今回は夏神さんが彼女と手を繋げた夢を見られたことが嬉しい。少しずつ傷が癒えていってるようです。そんなお店に若い女の子のお客さんが大雨の日に現れて大騒ぎ。不運続きで死にたくなったレイナ。夏神さんの食べることは大事の信念に救われます。幽霊が出る場面がなく、少し物足りなさもありましたが、ロイドさんのエステには仄々。そして甘栗入りの筑前煮とは!早速まねしたくなっています。2020/12/29
坂城 弥生
68
幽霊じゃなく生きてる人の思い出の料理は久しぶりな気がした。ご飯を食べられるということは、まだ大丈夫だと思えることだと思う。2021/03/24
野のこ
65
装丁の海里くん、大きなコッペパンでも切ってるのかと思ったらとんかつでした。今巻は淡海先生、なにかと協力的だったけどなんか陰のドン的な存在に見えてくる。チェンソーが趣味な伯父さんもなかなか独特な方だったようだ。甘栗の筑前煮かぁ、美味しそう。ちなみに入浴中にしろくまくん買ってきてくれるのは嬉しいけど冷凍庫に入れといてほしいかな。2021/03/11