角川文庫<br> 大義の末 (新装版)

個数:
電子版価格
¥704
  • 電子版あり

角川文庫
大義の末 (新装版)

  • ウェブストアに18冊在庫がございます。(2025年06月17日 23時15分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041095911
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

太平洋戦争末期、理想に燃える軍国少年・柿見。激動の時代に翻弄される少年の行く末は……。社会の価値観・思想が目まぐるしく変化する中で生きた少年の青春と葛藤を描く、城山三郎の最重要作品。

内容説明

思想書『大義』に影響され、予科練に志願した軍国少年・柿見は、理想とかけ離れた戦争の現実に深く絶望する。軍国主義を否定しておきながら、天皇の権威を再び政治に利用しようとする戦後社会で、人々と国家の変節に怒る柿見。なかったことにされた『大義』へ捧げた青春とそれを信じて死んだ友への想いから、破滅的な衝動に支配されていく。実体験に基づき、激動の時代を描いた、城山文学の原点というべき表題作ほか1篇。

著者等紹介

城山三郎[シロヤマサブロウ]
昭和2(1927)年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。一橋大学卒。昭和32(1957)年、「輸出」で文學界新人賞を受賞後、本格的な文筆生活に入る。昭和34(1959)年、『総会屋錦城』で直木賞受賞。組織とそこに生きる人間の問題を深く追究した話題作を次々と発表。自らの体験を反映した戦争文学、伝記文学、歴史小説と幅広い分野の作品を手がけ、特に経済小説の分野では日本の先駆者といわれる。長年の多大な功績により、平成8(1996)年に菊池寛賞を受賞。代表作に『落日燃ゆ』(吉川英治文学賞、毎日出版文化賞受賞)他多数。平成19(2007)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふじさん

90
この作品を書くために作家を志したと城山三郎自ら認めた城山文学の最重要作。天皇と皇国日本に身を捧げる「大義」こそ自分に生きる道と固く信じ、戦争末期に海軍予科練に志望した愛国少年への鎮魂歌として、その時代生きた若者の挫折感と絶望感を鮮烈なタッチで描き、天皇制の問題を真正面から捉え、究極の文学に結実させた戦争文学の不朽の名作。何度読んでも、違った読後感が。自分の年齢と時代の流れが、影響しているのかもしれない。ウクライナ、台湾等、騒がしい世界だからこそ読む価値がある1冊。 2022/08/10

松本直哉

29
一方では、梯子を外されてもひょいと別の梯子に乗り換えるのではなく、孤立無援に絶壁にしがみつくように、天皇の人間宣言後もはや塵芥となった皇国の大義にいまだに固執する主人公、他方では、死児の齢を数えるようにして、天皇に貰った銃と引き換えに命を落とした息子の年齢の十九回、毎日鐘をつかずにはいられない主人公の友人の母、いずれも、忘れることへの拒否と時代への抵抗の姿勢を崩さず、しかし健忘症の明るく軽い時代の波にあえなくさらわれてゆく。天皇の戦争責任をまだ公然と問うことのできた、今となっては嘘のような時代でもあった。2025/05/05

Satoshi

11
著者の実体験に基づいた中編小説。天皇への盲目的な忠誠を説いた思想書である大義を軸に戦後が描かれる。戦中に多くの若者が命を捧げた現人神は人間宣言した。戦後、共産主義に傾倒するもの、天ちゃんと侮蔑するもの、戦前と同じ忠誠を誓うもの。世界がひっくり返った後の哀しみが文章に溢れている。2025/02/07

佐藤ゅ

6
「大義の末」このタイトルからして重く、もの哀しく、けっして楽しい読書になろう筈も無く、しかも私が手に取った文庫本は旧版で、学生帽をかぶった3人の少年が血染めの襷をかけていて、背景に日の丸の戦闘機が描かれている、なんとも恐ろしい絵の表紙だった。城山三郎が「この作品を書くために作家を志した」ほどに書き残しておかねばならなかった『大義』とは何なのか。哀しくやり切れない場面の多くを読み進め、主人公の苦悩にとても平穏ではいられず、それでも読まなければ、最後まで読まなければ、と思い思い、気力だけで読み切った感。2025/01/02

しゅんどーん

6
予科練生で終戦を迎えた主人公が、戦後の日本に適応できず苦悩する。軍神杉本中佐の『大義』は戦前のベストセラー。主人公も影響を受け、国と天皇に命を尽くす決心をしたが、敗戦で心の支えが崩壊してしまう。厳しい訓練で死んだ仲間や、折れた醜い前歯。失ったものに果たして意味はあったのか。城山文学のなかでも、城山さんの体験を特に色濃く反映している。2023/09/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16039050
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品