出版社内容情報
山邑 圭[ヤマムラ ケイ]
著・文・その他
内容説明
都内の解体中のビルで男の首吊り死体が発見された。男は元警察官の岡田亮介。強制わいせつ致傷罪で服役し、出所したばかりだったという。現場の状況から自殺の線で終わらせようとする方針に対し、荻窪東署の刑事・椎名真帆は、他殺を疑い捜査を開始する。一方、警視庁副総監に呼び出された捜査一課の芦川は、ある人物を内偵調査することを命じられるが…。椎名と芦川の捜査が交錯する時、事件は思わぬ方向へ展開していく。
著者等紹介
山邑圭[ヤマムラケイ]
福島市出身。TVアニメーションの演出、教育映画監督を経て2008年『あの涙は、この碧につつまれる』(徳間書店/小島夕名義)で作家デビュー。日本脚本家連盟会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タイ子
94
シリーズ第3弾。だんだん面白くなるのは所轄の刑事の真帆が初めは事務職に就きたかったとか愚痴が多かったが、次第に刑事としての矜持を持ち始めたからかな。相棒との仲も喧嘩しながらもお互い意思疎通ができてるし。元警察官の自殺から始まり、それを不審に思う真帆。5年前の事件が関係するも何故かそれを隠蔽しようとする上層部。蓋を開けてみれば見苦しくも、エグささえ感じるキャリア警察官の人間味の薄さ。真実は意外なところに・・・。それにしても上昇志向の芦川刑事がねぇ。今、真帆は刑事に向く女として輝いている。続編あるのかな?2020/11/06
えみ
66
自分には向いていない。そう決めつけて職を手放してしまうのは勿体ない。結論出すなら一呼吸。そう諭したくなりながら読んだシリーズ一作目から早くも第三作目。やっと刑事としての覚悟が見え始めた椎名真帆が、淡く複雑な想いを胸中に真実追及の責任を全うする警察小説。本物の刑事になった、と彼女の成長に目を見張る一冊。同時に急展開な退場劇が一抹の淋しさを残している。運命は時として残酷な現実をみせる。それでも職務を全うし、犯罪者の一手も二手も先を読み、堅実な証拠を積み上げていく真っ当な刑事たちの姿は痛快で、敬礼したくなる。2021/03/02
はつばあば
54
なりたくなかった刑事でも、他からみると颯爽として見えるのか憧れてくれた人がいたこと。反対にどうしようもない屑が親の力で警視庁にまで上がれ・・けがれた欲望で身を持ち崩す警察官。やっぱり以前読了してましたわ3巻共。芦川の退職は勿体ない気もするけれど副総監や警視庁総監の腰巾着などの相手じゃねぇ。本来ならば総監たる名誉を貰った者なら・・。あぁ無理か!政治家さんや経済界のお偉いさんの意向が最優先されるもんね。国民って哀れだねぇ。2022/08/15
nemuro
51
タイトルや表紙イラストのインパクトなどで本を選ぶことも多い。最初に『刑事に向かない女』を書店で見かけ、まず連想したのが『女には向かない職業』(P・D・ジェイムズ)で、次に浮かんだのが若竹七海の“仕事はできるが不運すぎる女探偵”<葉村晶>シリーズ。それが昨年2月頃のこと。「衝撃のヒロイン!」とか「こんな女刑事 みたことない」は言い過ぎだが、また一人気になる刑事の登場だなぁ。などと思っていたら、秋には第2弾が出て、今般、はや第3弾。早すぎる成長に嬉しい誤算。更なる続編を匂わせるラストに、これは油断できない。2020/09/13
坂城 弥生
46
刑事に向かない男の間違いじゃないかと思わないでもないタイトル。今回は警察上部がもみ消そうとしている元警察官の自殺。誰を中心に見るかで善悪は変わってるけど、女性をないがしろにするあの親子は腐ってると思った。2020/10/27