出版社内容情報
巨大書庫・仙文閣(せんぶんかく)。そこに干渉した王朝は程なく滅びるという伝説の場所。
帝国・春(しゅん)の少女、文杏(ぶんきょう)は、一冊の本をそこに届けるべく必死だった。
危険思想の持主として粛清された恩師が遺した、唯一の書物。
けれど仙文閣の典書(司書)だという黒髪碧眼の青年・徐麗考(じょれいこう)に、
蔵書になったとしても、本が永遠に残るわけではないと言われ、
心配のあまり仙文閣に住み込むことに……。
少女小説の手練、三川みりが贈る、
命がけで本を護る少女と天才司書青年の新感覚中華ファンタジー!
内容説明
巨大書庫・仙文閣。そこに干渉した王朝は程なく滅びるという伝説の場所。帝国・春の少女、文杏は、1冊の本をそこに届けるべく必死だった。危険思想の持主として粛清された恩師が遺した、唯一の書物。けれど仙文閣の典書(司書)だという黒髪碧眼の青年・徐麗考に、蔵書になったとしても、本が永遠に残るわけではないと言われ、心配のあまり仙文閣に住み込むことに…。命がけで本を護る少女と天才司書青年の新感覚中華ファンタジー!
著者等紹介
三川みり[ミカワミリ]
第7回角川ビーンズ小説大賞“審査員特別賞”を受賞し、『シュガーアップル・フェアリーテイル銀砂糖師と黒の妖精』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
44
そこに干渉した王朝は程なく滅びるという伝説の巨大書庫・仙文閣。帝国春の少女・文杏が、危険思想の持主として粛清された恩師が遺した唯一の書物を届けるべく訪れ、仙文閣の典書・徐麗考と出会う中華ファンタジー。麗考に救われたものの、無事蔵書される心配で住み込むことになった文杏が知る壮大な仙文閣の威容。文杏を持ち込んだ書物を巡って、権力に屈しない図書館めいた仙文閣で必要とされる資質が問われる展開でしたけど、知識云々よりももっと大切なことがあるんですよね。文杏がこれからどう成長してゆくのかまた読んでみたいと思いました。2020/04/24
ゆなほし
35
帝国・春の少女文杏は恩師が遺した唯一の書物を届ける為、巨大書庫仙文閣に向かうが…。書物×司書×中華の新感覚ファンタジーである。書仙が作った仙文閣という舞台設定も面白く、まっすぐで努力家の文杏には好感が持てる。「仙文閣の蔵書になったとしても、本が永遠に残るわけではない」という典書(司書)麗考の言葉の意味が明かされた時、麗考の成し遂げようとしている事の重要さにハッとさせられた。全体を通して著者特有の柔らかい文体が、ともすればシリアスになる物語の縁を丸くしており、それがとても読みやすかった。読後感も良い。2020/05/24
ぐっち
29
恩師が遺した著書を守ってもらおうと、仙文閣に逃げ込んだ主人公・文杏。不思議な感じのする巨大図書館、三川みりさんらしい超美形の麗考、期待してなかったけどなかなか良かったです。続編があるとよいな。2021/04/10
ひぬ
25
あらゆる書物が保管されているとされる巨大書庫・仙文閣を目指し、亡くなった恩師の残した書物をそこに収めようとする少女・文杏。這々の体で仙文閣に辿り着くも、そこの典書・徐麗考から本が永遠に残るわけではないと言われ、文杏は書物を守るため仙文閣での生活を始めます。師の書に関する文杏の葛藤、そしてそれを通じての彼女の成長は良かったです。物語自体王道だったため、先の展開を想定しやすかったですが、不器用ながら文杏と麗考の二人の少しずつ変わっていく関係性は好きでした。最後の最後で仙文閣に関する謎が増えたので少し消化不良。2021/10/21
dorimusi
24
面白くなかったとは言いませんが・・・って感じの物足りなさ。焚書から本を守る人たちの話し。仙文閣の設定がチョットファンタジーで不思議だったけどそれ以外はこういう話しなのかなと想像する通りに淡々と進んで少ないページ数で終わる。何か物足りない感じでした。2023/03/18