出版社内容情報
大阪の小さなサンドイッチ店『ピクニック・バスケット』を営む仲の良い姉妹・笹子と蕗子。
彼女たちの店には、今日も悩みを抱えた人々が、心を癒す絶品サンドイッチを求めてやってくる。
人気シリーズ第2弾!
内容説明
大阪の靭公園にある、手作りサンドイッチの専門店『ピクニック・バスケット』。おっとりした姉・笹子がつくる絶品サンドイッチと、しっかり者の妹・蕗子の切り盛りに惹かれ、多くの客が店を訪れている。笹子のサンドイッチは、誰かが胸の内で大事にしている味に、そっと寄り添ってくれるのだ…。そんななか蕗子は、笹子が元彼と会っているらしいと知る。フランス帰りのシェフだという彼は、自分のレストランに笹子を誘おうとしているのかもしれない―。心穏やかではいられない蕗子だが、一方、彼女のほうにも新たな変化の兆しが…!?
著者等紹介
谷瑞恵[タニミズエ]
三重県生まれ。三重大学卒業。1997年『パラダイスルネッサンス―楽園再生』で集英社ロマン大賞佳作に入選しデビュー。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさか
207
2020年6月角川書店刊。書き下ろし。シリーズ2作目。 青い花火、オーロラ姫のごちそう、黄香ワルツ、明日の果実、祝福のサンドイッチケーキ、の5つの連作短編。明日の果実で空襲の時に走った大阪地下鉄の話が出てくるのが面白い。靭公園脇のサンドイッチ店もホントにありそうで、訪れる人たちのようすも楽しい。軽いノリの話ばかりで、本をとじると、記憶に残らないのが少し残念です。2020/08/15
のぶ
183
前作の「めぐり逢いサンドイッチ」も良かったが、続編の本作も楽しかった。舞台は前作同様のサンドイッチ店「ピクニック・バスケット」。5つの話が収められているが、メンバーも同じでそこで織りなす人間模様は読んでいて癒されるものだった。それぞれの物語は店で出されるサンドイッチのメニューをキーに繰り広げられる。雰囲気は「かもめ食堂」や「マカン・マラン」に似ているが、この本には独特の明るさと、キャラクターの魅力があった。出てくるサンドイッチもおいしそうで、近くにこんな店があれば、通うだろう。第三弾を期待する。2020/06/21
モルク
171
「めぐり逢いサンドイッチ」の続編。姉妹で営むサンドイッチやさんの5編。キュウリだけのサンドイッチ、キュウリにつまった女子高生の恋心。フィッシュソーセージサンドと少女の思い、などどれもほっこりしてそしてジーンと来る。お客さんの想いに少しでも近づけようと努力する笹ちゃんの姿が凛々しい。そしてこの姉妹の恋の行方も気になる。続編ではあるが、前作を読んでなくとも支障なく楽しめる一冊。2021/01/14
けんとまん1007
170
サンドイッチをテーマにした5つのものがたり。優しくなるものがたりで、ほっとする。食べ物は、素材でも、調理したものでも、その人の人間性や思いが伝わるのだと思っている。もちろん、いわゆる手作りの場合だが。時々、ふと食べたくなる時がある。どのサンドイッチも、食べてみたいと思う。パンも、野菜も、ジャムも、その他の素材も合わせたハーモニーだ。2021/01/02
おしゃべりメガネ
135
サンドイッチが無性に食べたくなるコト間違いなしのシリーズ第2弾。とにかくずっとアタマの中はサンドイッチで一杯に。途中から話の展開がぶっ飛んでしまうほど、アタマの中はサンドイッチに占有されてしまいます。今作も前作同様、サンドイッチ屋の姉妹が関わる人々のあらゆる悩みや問題を解決してくれます。今回はそこに姉妹それぞれの今後の展開も綴られ、イッキに読んでしまいました。食べ物が残してくれるステキな思い出はいつまでも大切にしていきたいですね。こんなステキなサンドイッチ屋さん、近くにあればいいなぁと思ってしまいます。2022/07/06