出版社内容情報
歴史あるお嬢様学校、凰西学園に入学した真矢は、マイペースな花音と友達になる。ある日、「幽霊が出る」という噂のあるピアノ練習室で、二人は宙に浮かぶ血まみれの手を見てしまうのだが……。
内容説明
伝統ある女子校・凰西学園に入学した真矢は、人一倍怖がりの花音と友達になる。「出る」と噂のピアノ練習室で、虚空から伸びる血まみれの白い手を目撃した2人は、その日を境に、手をつなぐと不思議なものが見えるようになってしまう。保健室に横たわる首のないびしょ濡れの身体、生徒の肩に止まる白い物体、プールの底に沈むもの…。少女たちが学園にまつわる謎と怪異を解き明かす、美しくも繊細な6篇の青春ホラー・ミステリー。
著者等紹介
近藤史恵[コンドウフミエ]
1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。93年『凍える島』で第4回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。以来、細やかな心理描写を軸にした質の高いミステリー作品を発表し続ける。2008年『サクリファイス』で第10回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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machi☺︎︎゛
135
歴史のある女子校に通う事になった真矢は花音という友達ができる。でもこの学校には「出る」と噂があった。真矢と花音は2人が体を触れ合っている時にだけこっちの世界とあっちの世界の境界線が曖昧になり、この学校が関係している何かが視えた。血だらけの手首、顔のないびしょびしょの身体。近藤史恵さんの書いたものだからイヤミス感も少しあり余計に怖かった。真矢の母親目線のプロローグで始まりエピローグで終わる形だったけどまだ曖昧になっている所もあり続編が出てほしい。2021/12/02
相田うえお
107
★★★☆☆20102【震える教室 (近藤 史恵さん)k】霊感の強い女学生を中心人物とした連作短編集。本ジャケの雰囲気からすれば身の毛もよだつ恐怖全開のホラー作品にもみえますが、中学生程度ならば安心して読めそうなプチホラーな学園ミステリーです。夜、ひとりでトイレに行けないぃ〜などということのない安全な内容なので、怖がりさんには嬉しいですね(って、そもそも怖がりさんは、この様な不気味な本ジャケは手にしない。。。) 本作品、世の中に揉まれて擦れてしまった様な大人ではなく、真っ白い気持ちを持った若い方にオススメ。2020/09/21
HANA
73
女子高を舞台としたホラー連作集。音楽室のピアノから保健室のベッドまで、学校怪談の基本を押さえている点は読んでいて嬉しい限り。ただ主人公たちが怪異を「視る」事が出来るという設定なのだが、原因を知る事は出来ても解決にはほとんど寄与しないのは残念かな。唯一寄与する「いざなう手」もデウスエクスマキナだし。著者からミステリ的な一面も期待してたんだけど。ただどの話も怖いというより何やら懐かしく奇妙な透明感を持った話ばかりなので、ノスタルジックな感慨を覚えながら一気に読めました。あとラストは不穏だけどよくわからない。2022/07/14
へくとぱすかる
70
ホラー・ミステリー、と解説にも書かれているが、謎解き小説ではない。明治時代の建築である私立高校の日常に、ふいに割り込んでくる怪異が、1年生女子生徒の学園生活とともに語られる。怖がらせるストーリーではなく、出来事の不思議さを、論理的ではなく物語として決着をつけ、奇妙な感覚を残しながら、六つの話が進む。内部進学ではないために、慣れない気持ちで高校生活をスタートさせた秋月真矢が、しだいに友人もできて学校生活にとけ込んでいく話にもなっている。とはいえ七不思議的な雰囲気に満ちた学校は十分に怖さがある。2020/07/22
kei302
64
ホラーなので読まなかったけど、KindleUnlimited登場で読んでみた。ドライな文体でサクッと読めて、さすが近藤史恵さん。淡々としているところがいいわあ~。 くまのぬいぐるみ、かわいいふりして怖いな。 高校2年生になった真矢と花音にも会いたい。2022/11/07