出版社内容情報
ジャクソン・ポロック幻の傑作が香港でオークションにかけられることになり、美里は仲間とある計画に挑む。一方アーティスト志望の高校生・張英才のもとには謎の集団「アノニム」からコンタクトがあり!?
内容説明
ジャクソン・ポロック幻の傑作「ナンバー・ゼロ」のオークション開催が迫る香港。建築家である真矢美里は7人の仲間とともに会場へ潜入した。一方、アーティストを夢見る高校生・張英才に“アノニム”と名乗る謎の窃盗団からメッセージが届く。「本物のポロック、見てみたくないか?」その言葉に誘われ、英才は取引に応じるが…。才能の出会いが“世界を変える”1枚の絵を生み出した。華麗なアート・エンタテインメント!
著者等紹介
原田マハ[ハラダマハ]
1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史科卒。伊藤忠商事、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館勤務を経て、2002年にフリーランスのキュレーターとして独立。05年『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。12年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞を受賞。17年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ミカママ
535
ちょっと難しい(寝しなに寝っ転がって読むには)かな。アートの札束が飛び交うような裏側の世界。ちょうど今、職場でディエゴ・リベラあたりの抽象表現主義をやっていたので、マハさん流のそのあたりの著述がよかった。ディスレクシアを入れてきたのもうれしかったかな。今作の目玉であるジャクソン・ポロックについてはゼロ知識だったので、これからググってみよう。2025/03/16
しんごろ
154
美術の知識は皆無に等しいけど、アートエンタメとして、楽しく読めた。“アノニム”、確かに窃盗団ではあるかもしれないが、ただの窃盗集団ではない。アートにおける正義の軍団というべきか。将来性のある若い芸術家を見つけたり、盗った絵を修復し元の場所に返したり、ホントに窃盗を目的とした集団から絵を奪い返したりなど、異色な集団。アノニムのチームの一人一人の個性と能力が、いかんなく発揮されてる。ハラハラドキドキ感は、そんなにないけど楽しめる物語。こんなエンタメも書ける原田マハ。原田マハ本人が芸術作品かもしれない。2024/11/22
SJW
131
アート義賊団であるアノニム集団が香港の高校生の張英才を目を付け、ジャクソン・ボロックの作品「ナンバー・ゼロ」をターゲットとしたプロジェクトの顛末。香港での学生運動の中で進む話の展開は正に少し前の香港を表しているよう。以前、出張で訪問した香港のビルや風景が手に取るようにイメージでき、とても懐かしく思った。またアートのオークションの様子も知ることができ、知らない世界を垣間見れてとても良かった。2020/09/30
KAZOO
127
原田さんの絵画ものですがいつものと違ってエンターテイメント系ですね。この中のジャクソン・ポロックは私も以前から好きで映画でもエド・ハリスが演じていたのを見たことがありました。さまざまな人物が登場し過ぎで若干拡散してしまった気がします。もう少し香港の若い人物を中心にした方がよかったのかも?2021/03/03
ふじさん
109
ジャクソン・ポロックの幻の作品「ナンバー・ゼロ」をオークションで競い落そうとする美術専門の窃盗団の冷血なリーダーのゼウスと彼らの手から傑作を守りつつ、人間とアートの可能性を張英才や香港の若者に伝える謎のアート窃盗団(アノニム)の活躍を描いたアート・エンタテイメント。最初は読みずらさを感じたが、読み進むうちに面白さを実感できた。アノニムの立ち上げの趣旨がアートの保護や可能性に重きを置いており原田マハのアートへの思いと繋がる。圧巻は、ナンバー・ゼロのオークションシーンだ。思わず手に汗握る迫力がある。 2022/11/11
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